編集かあさん家は、感門之盟にいつもオンライン参加している。楽しみの一つがタブロイド版である。
前の夜、開封すると子どもたちも寄ってきた。今回は“かあさん”が原稿を書いたコーナーもあると知っていて楽しみにしていた。
一番最初に目がいったのは1面のセイゴオダルマ・ロケット。ついで、「なにこれ!」と声が上がったのが、広告欄の『進撃の巨人』風セイゴオである。
巨人セイゴオ(絵:堀江純一・マンガのスコア著者)
「イーてれ!?」
それから全体と目次などの細部をざっと見て、前と比べて新聞らしさが上がった気がすると長男(13)が言う。にこっとしている。
裏面の番組表を見る。
Eテレを毎日見ている長女(8)、 「イーてれって書いてある。ほんとに放送するの!?」
自分たちで番組を作ってパソコンで配信するんだよと教える。
「あのイーてれと関係あるん?」とつっこまれる。
「そうそう、おかあさんが書いた記事は?」
半月前に割り付け用紙を見ながら、記事を推敲していたのを覚えていてくれている。9面にある“子どもフィールドからの風”っていうコーナーだと言いながら広げる。
「けっこう大きいやん」と長男。数秒眺め、他のコーナーチェックへ。選挙擬きの「守」記事や、レース擬きの「破」記事のほうが触発するものがあったようで、読み解き始める。「この数字はなんだろう。発言数なんだ」「えっ、生まれが旧満州の人がいる」などあれこれの感想が飛び出す。
・・
午後1時、いよいよ感門之盟が始まる。
司会は川野さんだよと教える。 長男は小学校の時、「子ども編集学校実験株第一号」として川野貴志師範とラウンジでやりとりをしたことがある。それからも折に触れて「よみかき探偵」川野さんの活躍ぶりを伝えてきた。
「新幹線に乗ったの、久しぶりなんだって」
「そうなんだ」
リビングの真ん中で感門之盟が進行していく。
「広告に出てたあの巨人がカラーになってる!」
師範が感門する。師範代が涙する。校長が話す。先達文庫が授与される。
「Hey! Say! JUMPなんだ」「イスラエル?」「螺旋だ」
ひっかかるワードが飛び出したら、立ち上がってPCのモニターを見に来る。
長女が、タブロイドをじっくり見て、この新聞って広告がぜんぶ記事に関係あることなんだね、いいねという。そういうところが長女のアンテナにひっかかるというのは意外だった。タブロイドを真似して 手書きの新聞をつくっていた。
タブロイドをもどいて「しんぶん」遊び。
好きなキャラクター、すみっコぐらしの世界観で
松井 路代
編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。
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