ある簡単な文に一か所「空白( )」が用意されている。ここに自由に「言葉」を入れ、新しい空白( )を一つ加える。次の人も同じことを繰り返す。徐々に文章が長くなり、物語となっていく。守稽古の用法1が終わりにさしかかる頃にスタートする勧学会イベント「空文字アワー」だ。
言葉を入れ、新たな空白を加えるシンプルなゲームだが、入れる言葉によって、文意が広がったり、物語の地が大きく入れ替わる。いかに仲間を驚かせようか、どの学衆もいつの間にかしゃかりきになる。と同時に、物語が変わりゆくたびに、歓声があがる。
兄弟教室である厳選タングル教室とダルマ・バムズ教室でも、例にもれず、たくさんの声に湧いた。
◆厳選タングル教室◆
・プテラノドン!!!とびっくり。
・新たな登場人物(猫)が!! ふたりが今後どのように絡んでいくの
か、目が離せませんね!
・ダダ・シュルレアリスム詩のように連綿と無意識の言葉つなぎが
続きますように
・時空が歪んでいて輪廻転生もしている感じ、好きです。
◆ダルマ・バムズ教室◆
・お題への回答も一部まだですが、こちらから先に失礼します…^^;
・そろそろ誰かなぜ親父の怒鳴り声が響くとご当地カレーになるの
かオチをつけてくださいませんか?
と、言いつつ話を広げます。
・いつの間にやらカレー色に染まっているのに驚きました笑
8日後にゲームオーバーとなった。が、山頂の景色を味わう間もなく、両教室では師範代が次の編集をけしかけた。出来上がった世界でたった一つの物語に、皆でタイトルをつけようというのだ。
ダルマ・バムズ教室では学衆の一人が、仲間の言葉にちなんだタイトル案を提案する傍ら「なんとなく消化不良なのでこっそり書き足します」と完結したはずの物語を更に拡張した。厳選タングル教室では、出された3つのタイトル案に「もうひとひねり」の編集をかけて、新タイトルを生み出した。
「変化を意識することの難しさを感じつつ、自分の限界が皆さんのおかげで超えられる体験でした」と振り返りの声も届いた。イシス編集学校校長、松岡正剛は「編集には”とことん”も必要で、編集稽古はあきらめてはいけません」と「chase(絶対にあきらめずに追いかける)編集」を促す。開講してからひと月あまりで、編集稽古へのカマエは十分。50[守]は、第1回番選ボードレールに突入した。仲間と共にどこまでも山を登り続けたい。
阿曽祐子
編集的先達:小熊英二。ふわふわと漂うようなつかみどころのなさと骨太の行動力と冒険心。相矛盾する異星人ぽさは5つの小中に通った少女時代に培われた。今も比叡山と空を眺めながら街を歩き回っているらしい。 「阿曽祐子の編集力チェック」受付中 https://qe.isis.ne.jp/index/aso
死者・他者・菩薩から新たな存在論へーー近江ARS「還生の会」最終回案内
近江の最高峰の伊吹山が雪化粧をまといはじめる12月、近江ARS「還生の会」は、当初の予定の通り最終の第8回を迎える。日本仏教のクロニクルを辿りなおした第6回までを終え、残りの2回は、いまの日本を捉えなおすための核となる […]
霧中からひらく新たな「わたし」――今福龍太さん・第3回青貓堂セミナー報告
「写真をよく見るためには、写真から顔を上げてしまうか、または目を閉じてしまうほうがよいのだ」(ロラン・バルト『明るい部屋』より)。第3回目となった青貓堂セミナーのテーマは「写真の翳を追って――ロラン・バルト『明るい部屋 […]
今年のお盆休みは、実家で「いただきます」というたびに、温もりと痛みとが同時に走った。それは、ひと月前の観劇体験のせいなのだろうと思っている。 2024年7月24日の18時開演。遅れたら入場できないかもしれないとのこと […]
別様への出遊に向かえ――『[近江ARSいないいないばあBOOK]別日本で、いい。』発売
2024年4月29日、一日限りの「近江ARS TOKYO」が終わり、駆けつけた人々は、余韻と期待をもって、会場で先行販売された松岡正剛からのもう一つの贈り物『[近江ARSいないいないばあBOOK]別日本で、いい。』(松 […]
「近江」からネオバロックへ―近江ARS TOKYO(4月29日・草月ホール)出演者決定
4月29日開催の「近江ARS TOKYO」まであと11日。打合せのたびに進行表が大きく変わってきた。この後、何度塗り替えられるだろうか。何度だっていい。直前まで変更が入るのは、もてなし・ふるまい・しつらいを担う近江AR […]