「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。

イシス編集学校は、インターネット上で学ぶ、松岡正剛が校長をつとめる世界で一つの方法の学校です。
編集稽古の面白さは体験してみなければ分からない。
でもどうやって体験していない人にその面白さを伝えればいいだろう。
そう考えてつくったのがこの「エディッ島リアルな体験ツアー」。
編集学校の《入門コース[守]》を島に見立て、稽古のプロセスをツアー仕立てでご案内しています。
まず、左上の【入門】をくぐると編集稽古スタートです。
【凡例】にもあるように、【黄色】が「教室」、さらにそこに【青色】の「勧学会」(かんがくえ)が併設されています。
センセイである「師範代」と、10人の「学衆」(受講生)は、教室でお題→回答→指南の「稽古」に取り組みます。「勧学会」では教室をまたいで、感想や稽古の成果を交わし合います。
◆合金と合コン? ネーミングも編集だった
最初の稽古ステージは用法1「わける・あつめる」。そして最初のお題は【001番:コップは何に使える】です。このお題は、言うなれば、コップを次々と「言いかえ」するだけの稽古なのですが、師範代から指南を受けると、あら不思議。
編集術の極意を垣間見たような気分になります。「言いかえ」「わける」「あつめる」という子どもから大人まで誰もが普段何気なくやっていることが実はコミュニケーションの本質に関わるスゴいことだったのです…。
次のステージの用法2「つなぐ・かさねる」では、例えばこんなお題が続きます。【
011番:ジャンケン三段跳び】【013番:合金と合コン】【015番:マンガのスコア】【018番:層なんです】。いかがですか。気になるお題はありますか。
ここで、もしみなさんが気になるお題があったなら、それはお題のネーミングに「編集」が効いているからでしょう。そして【013番:合金と合コン】はまさにネーミングを考えるお題です。ネーミングもタイトリングもキャッチコピーもこれ、すべて編集です。
◆稽古でバトル 本気の遊びが編集力をひらく
いよいよ後半戦。ふだんの編集稽古は平和で穏やかなものですが、用法2や用法3「しくむ・みたてる」では熱いバトルも繰り広げられます。教室をまたいで校内でアワードを競う「番選ボードレール」です。
第一回は、二つの漢字を「一種合成」し、新たな熟語をつくり、編集力を競います。第二回の「ミメロギア」は、珈琲・紅茶、漱石・鴎外、カフェ・サロンといった一対の情報に形容詞をつけて、新たな関係線をひくゲームです(例えば、「早朝の珈琲・午後の紅茶」「カフェのマスター・サロンのママン」など)。
いつの間にか子どもに戻ったかのようにムキになって、本気でアワードを狙ってのめり込む学衆が続出します…。けれども実は、これが大事なことで、本気の「遊び」からこそ編集力は発揮されるのです。
最後に用法4「きめる・つたえる」は、「言葉のシソーラス(類語や関連語)」を広げ、「ネーミング編集」に磨きをかけ、仕上げの編集に向かいます。「文体練習」にも臨みます。お題にそって回答すれば、誰でも有名作家の文体をマネできてしまうのがこれまた不思議です。
ここまで38番の編集稽古すべてに取り組めば、見事【卒門】! これでヘンシューの基本のキはOK! 入門コース[守]を修了すると、この先にはさらにめくるめく応用コース[破]が待っているというわけです。年表をつくり、物語を書き、プランニングを学びます。
さて、いかがでしたか。
「編集」というと、書籍・雑誌の編集や映像の編集を思い浮かべるかもしれませんが、すでにお分かりいただけたとおり、イシス編集学校で学ぶ「編集」はそれにとどまるものではありません。企画力や発想力をはじめ、わかりやすくいえば、コミュニケーションそのものを「編集」と捉えています。
イシス編集学校に入門して、あなたの奥底で眠る未知の才能、「編集力」に出会いませんか。
■イシス編集学校 第53期[守]基本コース
稽古期間:2024年5月13日(月)~8月25日(日)
応募締切:2024年4月28日(日)
URL:
https://es.isis.ne.jp/course/syu
■検討中なら、やってみよう
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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2025-10-07
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2025-10-02
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
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日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。