今福龍太氏の新刊『霧のコミューン』発売!8年をかけた批評的論考・エッセイの集成

2024/07/03(水)12:06
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2023年8月、豪徳寺・本楼は、熱気の渦に包まれた。『多読ジムSPコース「今福龍太を読む」』の読了式で、松岡正剛校長と今福龍太氏の対談が実現したのだ。多くの読衆を魅了した今福龍太氏は2024年4月、新設されたイシス編集学校のアドバイザリーボード「ISIS Co-mission」のメンバーに参加。志を同じくする編集学校と共闘していくとコメントを寄せていただいている。

 

その今福龍太氏の新刊『霧のコミューン』が、7月16日にみすず書房より刊行される。この待望の新著は、社会状況に合わせて、今福氏が8年の歳月をかけて執筆された批評的論考・エッセイの集成だ。著作活動のハイライトとなる作品『霧のコミューン』は、読者を新たな精神共同体へといざなう、今福氏の思索の結晶である。

 

これを記念して、今福氏自らが登壇するトークイベントが以下の日程で開催される。イシス編集学校推奨イベントとしてご案内しておこう。

 

●『霧のコミューン』発売記念イベント日程

 

各イベントでは、今福氏が自らご登壇、直接新著を紹介。読者との交流を深める貴重な機会になると、今福氏も楽しみにされている。ぜひ足をお運びいただきたい。

 

– 7月16日(火) 今福龍太氏、新刊『霧のコミューン』(みすず書房)刊行予定
https://www.msz.co.jp/book/detail/09712/

 

– 7月21日(日)15:00~ 『霧のコミューン』刊行記念トーク (UNITE:東京都三鷹市)
お申し込みは以下サイトから
https://www.unite-books.com/event

 

– 7月26日(金)16:00~ 『霧のコミューン』刊行記念トーク (恵文社一乗寺店 コテージ:京都)
お申し込みは以下サイトから
https://www.msz.co.jp/news/event/09712-keibunsha20240726/ 
https://note.com/keibunshabooks/n/n17680617145f 

 


さらに、今福氏は、以下の活動も予定されている。

 

– 7月28日(日)
青貓堂セミナー 今福龍太・連続講座「 ふれる よむ かく ── 本の銀河へ 」
第三回:ロラン・バルト『明るい部屋』を読む」
http://cafecreole.net/gatoazul/aoneko-seminar3.html

– 9月22日(日):リスボンの現代美術館での「Fernando Lemos回顧展」開館記念講演

 

– 9月28日(土):同上での日本の現代美術展「ENGAWA」基調講演+トーク

 

– 11月22日(金)~24日(日):台北アートブックフェアに手製本工房Gato Azulとして参加出品

 

 

今福氏の新刊『霧のコミューン』とこれに伴うイベントは、文学と思想の新たな地平を開く試みと言えよう。編集学校に学ぶ皆様も、今福龍太氏の言葉に触れる時間に、ぜひ足を運んでみてほしい。


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アイキャッチデザイン:後藤由加里

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-07-01

発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。