【ほんのれんラジオ:恋愛1】あなたにとって「恋愛」とは?定義の変遷を、恋愛スランプ長め女性陣でトークしてみた。

2025/02/16(日)19:08
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ほんのれんラジオの最新エピソードが公開されました!

イシス編集学校で世界読書奥義伝[離]まで了えた4名(ニレヨーコ、おじー、はるにゃ、ウメコ)がお送りするほんのれんラジオ。

 
ほんのれん vol.23の問いは、「これって恋愛? 〜この世界を動かす欲望〜」です。
2月でバレンタインデーも近づいてきたということで、旬な問いを扱います。
ゲスト回をお送りしてきましたが、今回から本編がスタートです!

 

まずは「恋愛」という言葉の変遷と、現在の若者の恋愛観について紐解いてみます。

今は「恋愛離れ」が進んでいるって本当?そもそも「恋愛」という言葉はいつから日本にあったのか?昔と今とじゃ、恋愛の意味は変わってる??

(※話の内容に、性的な表現を含みます。苦手な方はご注意ください。)

 

エピソードの前に、ほんのれんオリジナル小冊子「旬感ノート」から、
ほんのれん編集部 編集長仁禮洋子(編集工学研究所チーフエディター)のまえがきを特別に公開します。
 
===editor’s note===

恋愛は社会を映し出す鏡「若者の恋愛離れ」が話題だ。
ひと昔前は「愛の告白」の象徴だったバレンタインチョコも、Z世代はもっぱら友人や自分に贈るという。
その一方で、同性愛、ポリアモリー(同時多恋愛)、推しへのガチ恋など、多様な恋愛が顕在化している。

「恋愛離れ」ではなく、恋愛のカタチが変わってきているだけなのかもしれない。

ジャック・アタリ『愛の歴史』によると、初期の文明では「一夫多妻」や「一妻多夫」も多かった。
しかしキリスト教が西洋を覆い始めると、布教と人口維持のために「一夫一妻」が理想化された。
「一夫一妻」は、社会秩序維持のために発明された装置だったのだ。
フランス宮廷文化が花開く近世には、女性に贅沢品を貢ぐという恋愛様式が生まれ、それが資本主義に火をつけた。
人間を突き動かす恋愛という欲望が、時代の思惑と混ざりながら社会をつくり、さらに社会が新たな恋愛のカタチを規定してきた。

いたって個人的な感情でありながら、世界を動かすエネルギーになりうる「恋愛」。

5冊の旬感本を人間の欲望の「鏡」として、新たな恋愛観を映し出してみたい。

 

編集長・仁禮洋子

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エピソード目次 
 
佐藤優さん回振り返り/バレンタインデーお姫様抱っこ/恋愛現在地/優先順位と充実度/恋愛よりもチームトモダチ/男女二元論からの逸脱/恋愛とは?/「恋」は乱れる心/白川静的定義/弱小のものを愛しむ/仏教的には・・・/好色から恋愛、その呼び名の歴史的背景/肉交/プラトン「本当の愛とは、狂気である」/江戸時代の結婚観/ムラ・夜這い/明治時代、お見合い制度誕生/離婚は野蛮、というイメージはどこから?/ロマンティックラブイデオロギー/大正から戦前、9割お見合い/社内恋愛って自由恋愛?/恋愛と消費の紐づけ/仲人という信頼/単細胞生物でも、好みはある!/恋する・愛するイメージ/旬感本紹介
 

 

▼今月の旬感本

 

▼「これって恋愛? 〜この世界を動かす欲望〜」を考える 「ほんのれん」旬感本はこちらの5冊!

・『図説「愛」の歴史』ジャック・アタリ(著)ステファニー・ボンヴィシニ(共著)樺山紘一(日本語版監修) 大塚 宏子(訳)原書房 2009

・『進化が同性愛を用意した─ジェンダーの生物学』坂口菊恵(著) 創元社 2023

・『恋愛と贅沢と資本主義』ヴェルナー・ゾンバルト(著)金森誠也(訳) 講談社 2000

・『好色一代男』井原西鶴(原作) 島田雅彦(訳)河出書房新社 2023

・『21世紀の恋愛─いちばん赤い薔薇が咲く』リーヴ・ストロームクヴィスト(著)よこのなな(訳) 花伝社 2021

 

 

  • ほんのれん編集部

    編集工学研究所×丸善雄松堂が提供する一畳ライブラリー「ほんのれん」の選書やメディア制作を手掛けるメンバー。関西弁で跳ねるデザイン知カンガルー・仁禮洋子(ニレヨーコ)、小鳥の風貌ながら知的猛禽類な山本春奈(はるにゃ)、昭和レトロを愛する果敢なコンパイル亀・尾島可奈子(おじー)、2倍速で情報収集する雑読チーター・梅澤奈央(ウメコ)ほか。ほんのれんラジオは毎週水曜更新中。ほんのれん編集部公式noteにこれまでのアーカイブを蓄積してます。https://note.com/honnoren/

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025

大沼友紀

2025-06-17

●記事の最後にコメントをすることは、尾学かもしれない。
●尻尾を持ったボードゲームコンポーネント(用具)といえば「表か裏か(ヘッズ・アンド・テイルズ:Heads And Tails)」を賭けるコイン投げ。
●自然に落ちている木の葉や実など放って、表裏2面の出方を決める。コイン投げのルーツてあり、サイコロのルーツでもある。
●古代ローマ時代、表がポンペイウス大王の横顔、裏が船のコインを用いていたことから「船か頭か(navia aut caput)」と呼ばれていた。……これ、Heads And Sailsでもいい?
●サイコロと船の関係は日本にもある。江戸時代に海運のお守りとして、造成した船の帆柱の下に船玉――サイコロを納めていた。
●すこしでも顕冥になるよう、尾学まがいのコメント初公開(航海)とまいります。お見知りおきを。
写真引用:
https://en.wikipedia.org/wiki/Coin_flipping#/media/File:Pompey_by_Nasidius.jpg

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。