空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。

イシス編集学校九州支所「九天玄氣組」は今年20周年。発足会を行った秋をめざし、周年事業を進めている。軸となるのは「九州の千夜千冊」を冠した書籍の発行だ。松岡正剛の千夜千冊から選んだキーブック1冊ごとに33冊のグループをつくる「三十三冊屋」※という方法で組み上げる、正真正銘1000冊のブックナビ。本の可能性と九州らしさを浮き彫りにすべく、ただいま編集真っ最中。発刊まで3カ月。
※「三十三冊屋」の発端は、千夜千冊1249夜『大乗とは何か』。観世音菩薩がさまざまな姿を擬いて衆生を救おうとする話の流れで、松岡校長から出てきた言葉だ。33は人々の世間そのものを包括するマジックナンバーであり、33あればひととおりのことを把握でき、対応できる。九天玄氣組では4年前から三十三冊セットでセルフプロフィールをつくる、九州の方法を模索するなどの活動をしています。
山笠が終わり、博多の街に夏本番がやってきました。「九州の千夜千冊」の選書活動は、ずっと本番です。現在1,000冊のうち800冊が固まってきたところ。何がキーブックで、そこにどんな本が配置されたのか。今回はその一端をお披露目いたしましょう。
キーブック『放浪記』林芙美子 →→ 『日本の敬語』金田一京助
キーブック『夜学』上田利男 →→ 『ヤンキーと地元』打越正行
キーブック『西郷隆盛語録』西郷隆盛 →→ 『エクリ 新装版』ジャコメッティ
キーブック『葉隠』山本常朝 →→ 『ベルサイユのばら』池田理代子
「えっ、どうしてこの本が」と思った方も33冊リストを通して眺めれば、その世界に触れることができるでしょう。8月に入ったら「九州の千夜千冊」がリターンに付いたクラウドファンディングでのご協力もお願いする予定です。1,000冊のブックナビゲーション。ぜひ手に入れてください。
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●過去記事リンク
始動!松岡正剛に肖る九州の千冊ブックナビ
選書は急流? はたまたマグマ -九州の千夜千冊vol.2-
アイキャッチ:博多祇園山笠
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
【販売開始】11月2日(日)Qten Genki Book『九』刊行イベント-九州の千夜千冊vol.7-
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Qten Genki Book『九』クラファンスタート!-九州の千夜千冊vol.6-
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クラウドファンディングで出版へのご協力を!-九州の千夜千冊vol.5-
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方師もBSEもアレゴリアンも。選者の顔ぶれ-九州の千夜千冊vol.4-
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コメント
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2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。
2025-09-04
「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。