募集!【8/23(土) 花伝所・エディットツアー】AIにないものとは? センシングを磨く超編集術

2025/07/26(土)10:10
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「わかること」だけが判断の基準になりつつある現代に違和感をもっている人は少なくありません。「わからないこと」の複雑性を受容しながら、一つ一つの事象を知覚して言葉を選び、巧みに連ねていくこと。言い換えれば、関係性の発見こそ、編集的自由に向かう冒険であり、〈意味の市場〉を生成する醍醐味といえるでしょう。
  

ChatGPTを筆頭にデジタルツールの進化は目覚ましく、あっという間にビジネス領域を侵食しつつあります。AIが得意とする学習分野と人間のもつセンシング機能はどのように相関し、この先ではいかに共存していくのか未来も気になることの一つです。

作家・元外交官の佐藤優さんは、祭りや歌舞伎のような「非線形な」領域や文化形成はAIにはない分野だといい、その先峰が松岡正剛校長がつくった編集学校のプログラムであり〈編集工学〉こそ先駆的な方法だと言っています。例えば数多のコップの形状や中身に合わせて私たちの手指は持ち方をかえ、運び方を瞬時に認識しその先の動作を想定した上で、その場でふるまいごと意味を生み出しています。

 

編集学校には、「編集は対話から生まれる」という松岡校長の言葉があり、相互に言葉を交わし合う、編集の場が用意されています。その場の亭主となる師範代(編集コーチ)は、次々とお題を出題し、それに学び手である学衆が回答で応じていきます。そこに、一つの正解はなく、師範代は多様な回答に指南で光を当てることで、意味を引き寄せ、未知から既知へと発見と再解釈を繰り返すことで学衆の新たな可能性を開いていきます。

花伝所はその名を世阿弥の『風姿花伝』に肖り、師範代の型を物学(ものまね)することで、理解を深めることを重視しています。稽古はそのエッセンスを師範から伝承し、相互編集の「型・技」として価値を高めていくプロセスです。エディットツアーでは、花伝所の師範たちによる「型」のミニ講義やリアル編集ワークを通して、世界との接続点や関係性を見い出す「師範代のコミュニケーション術」の一部を特別に体験していただきます。

花伝所の本講座は[守][破]を修了した人向けですが、エディットツアーはどなたでも参加ができます。はじめて編集学校を知ったという方、コミュニケーションや師範代ロールに関心がある方、もっと編集工学を深めたいという方、まずはエディットツアーで「花伝所の型の学び」を体感してください。

 


エディットツアースペシャル [ISIS花伝所]
「ISISの宝刀、師範代の編集術」オンライン開催

■日時:2025年8月23日(土)14:00~16:00
■費用:1,650円(税込)
■会場:オンライン(お申込みの方にZoomアドレスをご案内します)
■人数:限定20名様(先着順)
■対象:どなたでもご参加いただけます
■ナビゲーター: ISIS花伝所 師範(吉井優子、森本康裕、新垣香子、森川絢子、林朝恵、平野しのぶ)
■内容:編集学校の花伝所で学べる方法をわかりやすくご説明します。独自の「編集稽古」をワークショップ形式で体験いただけます。
■お申込み:こちらから https://shop.eel.co.jp/products/es_tour_250823

  • イシス編集学校 [花伝]チーム

    編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。

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