自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2024年8月12日、イシス編集学校校長の松岡正剛が逝去した。エディスト編集部では、直後に約1カ月にわたる追悼コラム連載を実施。編集学校内外から多数寄せられた松岡校長の面影は、1年経ってもなお鮮明だ。まるでその存在が読むたびに【REVIVAL/再生】するかのようだ。読者の皆様にさらなる編集の契機としていただけるよう、36のコラム+蔵出し写真&映像をふくめ、8日にわたって公開する。
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松岡正剛という夢をどうしたら見続けられるのだろうか。私なりに考えたことは、小型の動画カメラを抱えて松岡さんを記録することだった。表舞台だけでなく裏舞台の松岡さんを見てみたい、編集の秘密を知りたいという好奇心から、回し続けた記録は膨大になった。その中からほんの少しだが編集して遊刊エディストで公開してきた映像「映写室」を改めて一覧として紹介したい。
【Take-01】松岡正剛は、なぜ雑踏の中でも読んだり書いたりができるのか?
協力 松岡正剛事務所
【Take-02】黒板で思考をキリトル
協力 松岡正剛事務所
【Take-03】講演は舞台のように
協力 松岡正剛事務所 丸善雄松堂 POMATO PRO
【Take-04】校長もREMIXする78感門
協力 イシス編集学校
【Take-05】本を主人公にする★祝1800夜
協力 松岡正剛事務所、丸善雄松堂
【Take-06】演出でインタースコアする
協力 松岡正剛事務所 丸善雄松堂
【Take-07】どんなものも夢のように創る
協力 松岡正剛事務所 丸善雄松堂
【Take-08】書を巡り墨に溺れる
企画協力 和泉佳奈子《百間》
撮影協力 成田山書道美術館
【追悼】松岡校長入伝式インタビュー
協力 イシス編集学校
※Take-05 Take-06 Take-07
2021年4月初旬に行ったインタビュー映像と2020年8月に開催された丸善創業150周年記念イベント「千夜千冊の秘密」リハーサル及び本番のドキュメント映像を一部使用して編集しています。
2020年、ちょうどコロナが始まった辺りから松岡さんの撮影をするようになった。数々のイベントや会議、リハーサル、そして執筆現場にも立ち会ったが、どの場面においても松岡さんが居るだけで、その空間は夢のような時間が流れた。映像というメディアを通して、松岡正剛という夢をこれからも再生し続けていきたい。
撮影・編集 林朝恵
撮影協力・アイキャッチ画像 後藤由加里
協力 松岡正剛事務所 百間 イシス編集学校
松岡正剛revival
07 正剛映写室の記譜
08 本とレンズが見ている
林朝恵
編集的先達:ウディ・アレン。「あいだ」と「らしさ」の相互編集の達人、くすぐりポイントを見つけるとニヤリと笑う。NYへ映画留学後、千人の外国人講師の人事に。花伝所の花目付、倶楽部撮家で撮影・編集とマルチロールで進行中。
あっという間に44[花]の錬成期間がやってきた。8週間のプログラムの折り返し、編集基礎体力ができたところで、入伝生に更なる負荷がかけられる。入伝生の多くはこの期間に蛹から蝶へと大きな変化を遂げるのだが、編集学校を見渡して […]
カメラがあるから見える景色がある。2025年11月3日、文化の日、なかなか終わらない夏の暑さから解放され、やっと来た秋らしいカラリとした空気の中、倶楽部撮家のメンバーが渋谷に集合した。街中で撮影のワークショップをするの […]
もう会えない彼方の人に贈る一枚 PHOTO Collection【倶楽部撮家】
ある日を境に会えなくなってしまった人。1度も会うことが叶わなかった人。 会いたくても会えない彼方の人がきっと誰しもいるだろう。松岡正剛校長は著書の中で度々、蕪村の句「凧(いかのぼり)きのふの空のありどころ」を取り上げてい […]
光を読む、光を撮る。 2025年8月9日、豪徳寺にあるイシス館とオンラインのハイブリッドで倶楽部撮家のメインイベントとなる瞬茶会(ワークショップ)が開催された。倶楽部メンバーは各々、カメラと懐中電灯を持参して集った。この […]
通りを歩けば紫陽花を見かける季節がやってきた。 土の酸性度によって色が変わるこの花は、現在進行形で変化を続ける入伝生の姿にも重なる。 6月になり錬成期間に入った入伝生は師範代になりきって指南を書きまくる日々 […]
コメント
1~3件/3件
2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。