コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。

ゴートクジ・イシス館住人たちが一念発起し結成した書棚見回り隊、その名も「書庫邏隊」(ショコラ隊)は、2025年春から始動。松岡正剛譲りの書物愛を奮い立たせて選書の腕を競いあいます。このたび「夏の陣」として選書された本のうち、第一弾が井寸房にお目見えしました。選者によるレコメンドカードを添えてあります。
井寸房の書庫邏棚は、2~3週間ごとに入れ替え予定。イシス館においでの際は、ぜひ実際に本を手に取り、御覧ください。
ショコラ隊「2025夏の陣」その1
*本の順番はイシス館の書棚構成に沿っています
〇『霊性の日本思想―境界を越えて結びあう』末木文美士 岩波書店 2025年
・・・近江ARS「還生の会」を担う末木さんが、日本精神史を「霊性」によって読み解きつつ、新しい世界の見方を提案。(選:吉村堅樹)
〇『女かぶき図の研究』舘野まりみ 思文閣出版 2024年
・・・近世の風俗画をたどって、お国から始まり遊女にまで波及した「女かぶき」の美術史学的考察を行う。(選:根岸麻恵)
〇『応挙の日記 天明八年~寛政二年 制作と画料の記録』川﨑博 思文閣出版 2024年
・・・日本の至宝・円山応挙の日記が、なんと屏風仕立で発見された。応挙の確かな息遣いが、時を越えて立ち上がる。(選:根岸麻恵)
〇『庭と建築の煎茶文化 近代数寄空間をよみとく』尼﨑博正ほか編著 思文閣出版 2019年
・・・抹茶文化と煎茶文化のシーソーゲームのような隆盛・後退の歴史をふまえて、数寄空間のあり方を探る。(選:根岸麻恵)
〇『茶の湯空間の近代 世界を見据えた和風建築』桐浴邦夫 思文閣出版 2018年
・・・高橋箒庵などの近代数寄者たちによる「ジェントルマン・アーキテクト」を堪能する。(選:根岸麻恵)
〇『益田鈍翁 近代数寄者の大巨頭』齋藤康彦 宮帯出版社 2023年
・・・経済学専門の著者が、稀代の数寄者をデータベース化、その数寄の足跡を多面的・総体的に捉える。(選:根岸麻恵)
〇『知られざる目利き 白醉庵吉村観阿』宮武慶之 淡交社 2020年
・・・目利きとして茶道具の世界で高く評価されている江戸後期の町人数寄者・吉村観阿の人物像を浮かび上がらせる。(選:根岸麻恵)
〇『自由エネルギー原理入門 知覚・行動・コミュニケーションの計算理論』乾敏郎・阪口豊 岩波書店 2021年
・・・不確実性を最小化する原理として、広く応用可能性が注目される自由エネルギー原理の入門書(選:吉村堅樹)
〇『能動的推論――心、脳、行動の自由エネルギー原理』トーマス・パーほか ミネルヴァ書房 2022年
・・・自由エネルギー原理をベースに、世界の不確実性を解消するために、次に何をするべきかを考える能動的推論。(選:吉村堅樹)
〇『テクノ封建制』ヤニス・バルファキス 集英社 2025年8月20日
・・・思考や行動を束縛し、逃れる意志すら奪いつくすデジタル空間のテクノコードのヤバさ(選:吉村堅樹)
〇『存在の四次元――意識の生物学理論』ジョセフ・ルドゥー みすず書房 2025年
・・・神経学者による人間の存在と思考についての新しい仮説。物語に基づいた思考言語「メンタリーズ」に注目。(選:吉村堅樹)
〇『思考の自然誌』マイケル・トマセロ 勁草書房 2021年
・・・ヒトは10年にわたる育成期間という“延長された個体発生”のなかで協力的な思考を獲得していく。(選:田中晶子)
〇『夢を見るとき脳は――睡眠と夢の謎に迫る科学』アントニオ・ザドラほか 紀伊國屋書店 2021年
・・・夢は、覚醒中には思いもつかない「関係性の連想」を提示する。夢は、予想外の連想を見つける方法である。(選:山本春奈)
〇『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』ジェフ・ホーキンス 早川書房 2022年
・・・脳はトポスの集合体だ。学び、記憶し、考えることは、情報を場所に結びつけることなのだ。(選:山本春奈)
〇『漫画の原理』大場渉・森薫・入江亜季 KADOKAWA 2025年
・・・漫画文法と技術を、禁止事項と特殊技法まで含めて網羅。(選:吉村堅樹)
〇『実存主義者のカフェにて―自由と存在とアプリコットカクテルを』サラ・ベイクウェル 紀伊國屋書店 2024年
・・・モンパルナスのカフェから開花した3人の実存主義者たちの生涯(選:寺平賢司)
〇『哲学探究』ウィトゲンシュタイン 講談社 2020年
・・・松岡正剛曰く「後ヴィの代表作」が、平易な翻訳、充実した注、見出しの工夫で完全版として入手可能になった。(選:寺平賢司)
〇『機械状エロス 日本へのまなざし』フェリックス・ガタリ 河出書房新社 2024年
・・・ガタリと日本人アーティストたちとの対話をまとめた一冊。とくに田中泯さんによるガタリへの返しは秀逸。(選・寺平賢司)
〇『中国における技術への問い』ユク・ホイ 株式会社ゲンロン 2022年
・・・香港の若き俊英が、西洋的な「技術」の哲学に中国思想を接続し、「宇宙技芸」の再発明を提案。(選:寺平賢司)
〇『世界文学のアーキテクチャ』福嶋亮大 PLANETS 2025年
・・・グローバル化する世界のなかで、小説はいかに複雑な心情や社会事象を描きだしたのか。文学をプログラミング言語として捉える試み。(選:寺平賢司)
〇『バウハウスの舞台』オスカー・シュレンマー、L・モホリ=ナギ 中央公論美術出版 2020年
・・・バウハウスにおいて、舞台は実験と創造の交差点だった。現代アートの源泉を知るための一冊。(選:衣笠純子)
〇『越境文化演劇』ギュンター・ヘーグ 三元社 2024年
・・・ドイツの演劇研究者が、亡命・移民・マイノリティの視点から現代演劇を読み解く。(選:衣笠純子)
〇『デカルトはそんなこと言ってない』ドゥニ・カンブシュネル 晶文社 2021年
・・・デカルトは本当に二項対立的なのか。デカルトにまつわる誤解をぶった切り、デカルト哲学の明晰さを再評価する。(選:寺平賢司)
〇『ソクラテスからSNS――「言論の自由」全史』 ヤコブ・ムシャンガマ 早川書房 2024年
・・・古今東西の「言論の自由」をめぐる事件や動きを総覧する。果たして「言論の自由」は善なのか、悪なのか。(選:寺平賢司)
イシス館書棚見回り「書庫邏隊」―2025夏の陣」その1
書庫邏隊(ショコラ隊)
松岡正剛の愛書精神を継承し、イシス館の本棚の再編集と新陳代謝を担う。イシス館の全住人が所属し、それぞれ1階~3階のいずれかの書棚を担当している。リーダーは、吉村堅樹・小森康仁・太田香保・寺平賢司。
イシス館書棚見回り「書庫邏隊」いよいよ始動―「2025春の陣」その2
ゴートクジ・イシス館住人たちが一念発起し結成した書棚見回り隊、その名も「書庫邏隊」(ショコラ隊)が、松岡正剛譲りの書物愛を奮い立たせて選書の腕を競いあう「春の陣」。このたびようやくその第2弾が井寸房にお目見えしました。第 […]
イシス館書棚見回り「書庫邏隊」いよいよ始動―「2025春の陣」その1
2024年8月以来止まっていた松岡正剛「千夜千冊」が突然動き出し、「絶筆篇」が始まりました。機を合わせて、ゴートクジ・イシス館住人たちが一念発起し結成した書棚見回り隊、その名も「書庫邏隊」(ショコラ隊)の活動成果が、この […]
コメント
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2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)
2025-08-19
エノキの葉をこしゃこしゃかじって育つふやふやの水まんじゅう。
見つけたとたんにぴきぴき胸がいたみ、さわってみるとぎゅらぎゅら時空がゆらぎ、持ち帰って育ててみたら、あとの人生がぐるりごろりうごめき始める。