「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

言いたいことがある。表現したいことがある。でもその方法に自信がない。だからイシスに方法を学びにきた。そういう入門者は多い。しかし編集稽古をしているうちに気づくことがある。そうではなかったと。
54[破]は10教室71名の学衆でスタートし、51名が突破。原田淳子学匠は「カマエが素晴らしかった」と師範代の教室運営や指南ぶりを称えた。ただしその称賛は、やる気や元気の充足といったポジティブさだけに因るのではない。
自分はどういうコンディションにあり、どの程度の時間が使え、どれほどの編集力があるのかを認識していることが「ベース」にある。こうありたいという「ターゲット」も描けている。だからこそベースとターゲットのあいだの「プロフィール」を一歩一歩進めていける。そういう在り様を「カマエがよい」と学匠は評価した。さらに学衆の稽古ぶりにも目を見張るものがあったという。
「20世紀は主題の時代、21世紀は方法の時代」とは松岡正剛校長の言葉だ。「主題ではなく方法こそがコンテンツ。方法から意外な内容が生まれていくことを実感してほしい。」校長は繰り返しそう語っていた。編集稽古でいつその実感を得るかは人それぞれだが、54[破]がそのタイミングとなった学衆が何人もいた。なぜ実感できたのか。「型に沿って素直に稽古した」学衆が多かったと学匠は振り返る。型を信じることで思いもよらない発見が起こる。それこそが[破]の醍醐味だ。
いま世界では各地で戦争が起こり、独裁的な政治家も増えている。権力や強さがもてはやされているきらいもある。しかし[破]の稽古で学衆が気づいたことは権力や強さとは別ものだ。学匠はつぎの言葉でメッセージを締めくくった。
「方法をもってアプローチすれば、何もないところからでも編集を始められる。自分の編集力を信じて、分からないことがあれば方法を使ってみること。それが編集的自由につながる。世界が編集を終えようとしている今だからこそ、イシスの仲間としてこれからも編集を続けてほしい」
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
さあ、お待たせしました!感門之盟のクライマックス「冠界式」のお時間です。新師範代たちの教室名がついに明かされます。発表の瞬間、どんなリアクションをするのか。どうぞお楽しみください!! 家村吏慧子 師範代 ハ […]
読書のキッカケは突然だ。ネットや書店で見て、誰かに薦められて、あるいは「師範選書」を知って。 イシス花伝所で2期以上指導を担った者へ贈られる師範選書。今季はこの一冊が贈られた。 『アナーキスト […]
松岡校長が残した「花伝」の書は126通り。生前、花伝所の師範に贈る「花伝扇」に書かれた数だ。相手を思いながらとった筆は、ひとつひとつ違う書を生んだ。「今後はたくさんの【花】と【伝】の文字を組み合せて、扇を渡していきなさい […]
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◎秋募集・まだ間に合う!◎千夜千冊パラダイスで≪世界制作≫へ!【2025秋★千夜千冊パラダイス】
イシス編集学校校長松岡正剛の作品をクラブ名に掲げる唯一のクラブがわれら「千夜千冊パラダイス」略して「センパラ」です。ワンシーズンを通して、KEY千夜と称した1夜を選び、校長マーキング(直筆データ!)を拝みつつ、オツ千LI […]
コメント
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2025-09-04
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2025-09-02
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2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。