56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
スニーカーならエアマックス。NBAはエアジョーダン。ダイノジはエアギター。そしてイシスにはエアサックスと呼ばれる男がいる。
感門之盟で音楽を学ぶ卒門学衆としてフィーチャーされたものの、サックスの演奏が未熟だったため、校長から吹かないで持ってるだけにしてとディレクションされたことから、「エアサックス」の愛称がついた。49[破]学衆・ヤマネコでいく教室、加藤陽康。これは3度目の正直ならぬ3度目の突破にかける若者の4ヶ月に渡る編集稽古のドキュメントである。
窓の外アマン 街はたそがれゆく
二人には時間がとまるイシス
石原裕次郎ばりにブラインドを下げて、外を覗き見るエアサックス加藤。果たして彼には、突破の先が見えたのか。前回、暗黒面から立ち直り、見事?物語AT賞のエントリーを果たした。晴々とした顔で豪徳寺に現れたエアサックスは、開口一番、もうプランニング始めてます!と得意げである。安田晶子師範代に導かれ、コースの力を信じ、締め切りに間に合わせたことが、加藤に自信を纏わせたのかもしれない。
いよいよ、[破]最後のプログラムになるのが、プランニング編集術である。ハイパー・ミュージアムを構想する。ベースとなる千夜千冊の三夜、エアサックス加藤が選んだのは、1769夜デヴィッド・ルイス=ウィリアムズ『洞窟のなかの心』、1657夜デービス・ベアード『物のかたちをした知識』、そして850夜の蕪村全句集である。
ミュージアムとしてはアイテムをリストのアイテムから洞窟壁画に仮に設定し、それを総覧することで交際知とその影に分け入っていきたい。また洞窟壁画は世界と人間のあいだの認知モデルをつくった。今回想定するハイパーミュージアムによって私たちが求めたいのは世界と人間とのあいだの新しい認知モデルだ、とする。影の中の交際というフレーズから愛の巣を連想し、窓に注意のカーソルが向かった。窓のミュージアムは面白そう。窓を打つ雨、窓の曇り、窓とカーテン、窓と借景、窓とPC、窓と乗り物、窓の開閉、窓と覗き魔…。
編集天狗と対話するうちに次々に窓のシソーラスが広がっていくエアサックス加藤の窓ノート。編集の型を使って情報を引き出していることがメモの随所から伝わってくる。
缶詰稽古に味をしめた加藤は、このあと立て続けに回答をアップした。プランニングいけます! 言葉が力強い。目指すはP1グランプリ出場である。いやもちろん、その前に突破である。突破締め切りは2/12。エアサックス加藤はこのまま順調に突破ロードを走破できるのか。次回、エアサックス、ハイパー苦闘編にご期待ください。
【エアサックス加藤の三度目の突破】バックナンバー
■【エアサックス加藤の三度目の突破10】窓からミュージアムが見える?
■【エアサックス加藤の三度目の突破09】ダース・カトウの再生はなったのか?
■【エアサックス加藤の三度目の突破08】嗚呼!エアサックス母子応援団
■【エアサックス加藤の三度目の突破07】波乗りエアサックスの慢心を諫める
■【エアサックス加藤の三度目の突破06】たくさんの天狗とたくさんのわたし
■【エアサックス加藤の三度目の突破05】歴史的快挙そして新たなる野望(本記事)
■【エアサックス加藤の三度目の突破04】守の型を使い尽くすべし
■【エアサックス加藤の三度目の突破03】心がわりの相手は君に決めた!
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
【田中優子の学長通信】No.12 『不確かな時代の「編集稽古」入門』予告
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田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
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イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
【プレスリリース】本好き必見:松岡正剛の郷読&多読 2大ブックフェス開催!11月、東京と福岡で「本の祭典」——九州は田中優子トーク、東京は6万冊の本棚空間で古本市&ライブトークをイシス編集学校が初開催
本を読むだけでは終わらない、本の新たな可能性をひらく読書の祭典へ——。 イシス編集学校は、11月に福岡と東京で本好き必見の二大イベントを開催します。校長であり編集工学者の松岡正剛の読書術を活かした「郷読」「多読」の祭典で […]
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2025-11-04
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2025-10-29
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2025-10-28
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