第149回伝習座速報 和田[守]番匠メッセージ「師範代になるための10の構え」

2020/03/28(土)18:00
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未踏に踏み込むこと。

毎期たくさんの未踏があるが、自粛や中止、延期の言葉が並ぶ今だからこそ、師範代自身が未踏へ向かって欲しい。

その後ろ姿は必ず学衆さんも感じ取っている。

 

第149回伝習座で、和田めぐみ[守]番匠は冒頭にそう述べつつ、45[守]の師範代へ「たくさんの師範代像へのカマエ」のエールを贈った。

 

1.師範代は、教室の要である。

2.師範代は、学衆の先輩・先達である。

3.師範代は、師範代に「なっていく」プロフィールである。

  ー正解を求めなくていい。

   しまった、滑った、転んだも恐れず、学衆のためなら何をやってもいい。

   そのプロフィールを経て師範代になっていく。

 

4.師範代は、学衆の不足を与件とする。

  ー入門の目的は様々だが、共通して何かしらの不足を抱えている。

   その与件を以って向かうこと。

 

5.師範代は、方法を取り出し照合を厭わない。

  ー参考となる先達の編集を真似るのではない。

   自身の教室模様を方法として取り出し、照合する。

 

6.師範代は、学衆との「あいだ」をつなぐ中継点である。

  ー教室が進む上で学衆を取り巻く場は動いていく。

   そのあいだを繋いでいく。

   師範代と学衆を、学衆同士を、学衆と編集学校をChainする。

 

7.師範代は、世の中の言葉を編集の素材とする。

  ー既存の編集を終えようとしている情報を契機に、未知へ向かっていく。

 

8.師範代は、編集速度を自在に動かせる。

  ー同じ言葉でも「コップ」と「コーーーップ」では速度が変わる。

   速度が変われば情報も変わる。

   制限時間や番ボーは、速度を動かす契機になる。

   禅機をつかんだ速攻の応答も時には必要。

 

9.師範代は、生き生きした流れを教室に吹き込む。

  ー学衆さんの事情も様々で、回答のスピードも密度も色々。

   稽古と楽しむ学衆の編集知を教室に共鳴させるのも方法の一つ。

 

10.師範代は、教室という生き物のと共に変わっていく。

  ー学衆さんのテンポやその時の状況で教室の様相は絶えず変化する。

   リズムに合わせるために時に用意したものを捨てることもある。

   あるいは、あえて拍を不意にずらして動かす局面もあるだろう。

   ブレない軸も大切だが、変わっていくことを恐れないで欲しい。

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。