リアルとオンラインのハイブリッドな感門之盟で、EditCafeから絶え間なく配信されていたイーてれ。「師範代の新たな面を知ることができた」「ゼッタイ見逃したくないプログラムの始まるタイミングが分かって嬉しい」「見逃したシーンもあとから辿れる」といった反響もある、人気の副音声だ。豪徳寺の会場での進行のタイミングにぴったり合わせたプログラムの紹介が、なぜ九州から東北まで全国に散らばるスタッフでも可能だったのか。それはリアル会場に張り付き、次第の直前の変更にも臨機応変に対応し、スタッフにLINE機能を使ってQを出し続けていた影武者リーダー、豊田香絵師範代と竹川智子師範がいたからだ。
配信メールには、プログラムの内容、登壇者の紹介、師範代に贈られる先達文庫に加え、感門表、校長から贈られる書、関連する遊刊エディスト、さらには視聴者プレゼントのリンクまで漏れなく貼ってある。想いの込められた校長の書を、筆さばきの伏せ開けの息遣いまで感じられるほど間近に見ることができるのは得難い経験だ。ハイブリッド感門になるまでは非公開だった、師範による丹精込めた感門表では、数ヶ月にわたる講座の万感の思いを託した痕跡を味わえる。視聴者が多重多層に感門之盟を堪能できるこうしたすべての内容を、イーてれスタッフが即座に盛り込んで配信するのは至難の業だ。じつはあと二人、影武者が潜んでいた。感門之盟当日の朝まで徹夜で台本を綿密に作成したのが、イシス編集学校を隅々まで知り尽くしている八田律師。そして、当日のスムーズな配信をリハーサルするための準備ラウンジをしつらえ、お膳立てを切り盛りしたのは、衣笠フロアディレクターだ。ルル三条、用意と卆意の編集が活きたイーてれだった。
▲秒単位で表示されるデジタル時計を左手に、右手はインカムのマイクを確かめる衣笠D。
アイキャッチ写真は、本楼の最奥の薄暗がりからQ出しをする豊田香絵師範代、納富智子師範代(奥から)
写真:後藤由加里
丸洋子
編集的先達:ゲオルク・ジンメル。鳥たちの水浴びの音で目覚める。午後にはお庭で英国紅茶と手焼きのクッキー。その品の良さから、誰もが丸さんの子どもになりたいという憧れの存在。主婦のかたわら、翻訳も手がける。
公園の池に浮かぶ蓮の蕾の先端が薄紅色に染まり、ふっくらと丸みを帯びている。その姿は咲く日へ向けて、何かを一心に祈っているようにも見える。 先日、大和や河内や近江から集めた蓮の糸で編まれたという曼陀羅を「法然と極楽浄土展」 […]
千夜千冊『グノーシス 異端と近代』(1846夜)には「欠けた世界を、別様に仕立てる方法の謎」という心惹かれる帯がついている。中を開くと、グノーシスを簡潔に言い表す次の一文が現われる。 グノーシスとは「原理的 […]
木漏れ日の揺らめく中を静かに踊る人影がある。虚空へと手を伸ばすその人は、目に見えない何かに促されているようにも見える。踊り終わると、公園のベンチに座る一人の男とふと目が合い、かすかに頷きあう。踊っていた人の姿は、その男に […]
デーモンとゴーストの長年にわたる秘密の対話が、ずっしりと持ち重りのする新書となって、名残の月の美しい季節に書店へと舞い降りた。数理科学者の津田一郎氏と編集工学研究所の松岡正剛が、それぞれの専門性の際をインタースコアした対 […]
名月や池をめぐりて夜もすがら 『月の裏側』という美しい本がある。著者のクロード・レヴィ=ストロースは幼い頃、父親にもらった歌川広重の版画にすっかり心を奪われ、遠い東の国に恋をしたという。何度めかの日本訪問の […]