桜の開花予想は少し先に伸びたようだ。3月の終わりだというのに雪の予報が出た3月23日(土)に第83回感門之盟「Edit Tide」の3日目がひらかれた。早朝に降った冷たい雨があがった頃、陽の差し始めた豪徳寺のイシス館に物語講座の績了と多読ジムの読了を寿ぐための関係者が揃った。
八田律師が開会を宣言するために壇上に立つのも3回目だ。ブルー、ブラックとつづき、3日目はフェミニンなレースのドレスへと着替えて本楼とZOOMで集まった参加者に向けて呪言のことばを届ける。
「感門おめでとうございます」
本楼に集まったのは物語講座の叢衆と多読ジムスペシャルの読衆だが、ZOOMの向こう側の卒門、突破したばかりの学衆にも声をかける。
「みなさんにとっては編集道の先になるが、必ず通る道と思って参加いただきたい」と。
物語講座も多読ジムも本をたくさん読む。ことばの世界を出入りすると出会いが何度もあるだろう。物理的な出会いだけでなくメンタルな心の出会いもあるはずだ。それが刺激となり、編集道の分岐点や交差点になっていくはず。それを体験してきた叢衆と読衆を祝う績了式と読了式は、これから進もうとする学衆も魅了するスペシャルな3日目になるはずだとオープニングを宣言した。
この日の司会は森山師範だ。2012年に開催された松丸本舗で、ブックショップエディターとして本と人をつないだ。「資生堂のSEだったんだよね。本当は着物の名人だけれど足を怪我して今日は洋服での登場です」と松岡校長が声をかけると、その人はゆっくりと立ち位置を選び、マイクを持った。森山はトルクメニスタンの刺繍のエキゾチシズムを羽織り、怪我した足を山吹色のブーツに包む。七色に染まった髪の艶やかさはZOOMの画面でも目立ったようだ。「髪のグラデーションが素敵です」とチャットが届く。着物を封印した森山師範の踵にビビの入った足を守るブーツは、息子のお古をリメイクしたお手製だ。
「ほんまによう来てくださいました」と感門之盟の参加者を迎えた森山師範は、場をつくる人たちへ「この裏には感門団もリアル、ZOOM、イーてれチームがいます。互いに手を出し、キャッチしあって潮目を一緒に感じてほしいと思います」と目配せすることも忘れない。波を起こしてそれが繋がれば潮流になっていく。「最初のひと潮をどう作っていくかが大事です。寿ぎとお祝いに満ち溢れる一日にしましょう」と柔らかくことばを結んだ。
(写真:福井千裕)
安田晶子
編集的先達:バージニア・ウルフ。会計コンサルタントでありながら、42.195教室の師範代というマラソンランナー。ワーキングマザーとして2人の男子を育てあげ、10分で弁当、30分でフルコースをつくれる特技を持つ。タイに4年滞在中、途上国支援を通じて辿り着いた「日本のジェンダー課題」は人生のテーマ。
あれ・れご・ごり・りあ〜今こそ「アレゴリア」を見直したい【第二回工冊會】レポート
編集学校とは別の編集への入口だ、と2024年末に立ち上がった多読アレゴリアは冬から春へと2シーズンが過ぎた。春シーズンが終わる5月半ばのタイミングで、来し方を振り返り、行く末を想うため、第二回工冊會(こうさつえ)が豪徳 […]
桜の森の満開の下で漫画の妖術師と対談する〜【ISIS Festa Special x 感話集 近藤ようこ氏】
優しいタッチで描かれる花びらと美しい女。満開の桜を思わせるピンクのメインビジュアルの下でISIS FESTA&感話集が開催された。 3月最後の土曜日、イシス編集学校の物語講座の績了式 […]
[遊]物語講座17 綴 ISIS物語アワード受賞者発表ーー【87感門】
ISIS FESTA SP&第 87 回感門之盟 感話集では、17 綴績了式に続いて、ISIS物語アワードの発表へとプログラムが進む。一体、どの文叢の誰の作品が受賞するのか?と、全叢衆の胸が高鳴る時間だ。物語アワードは複 […]
42[花]放伝式・方法を如何につかふ?ーー花伝選書授与【86感門】
花伝選書とは、花伝所で2期以上指導陣をつとめた者に贈られる書だ。今期は、花伝所を統括し束ねたふたりの花目付と、花伝道場の宝刀である5名の花伝師範と7名の錬成師範に贈られた。 ◆花目付 林 朝恵 […]
42[花]放伝式 伝えるために扇を手渡す――花伝扇授与【86感門】
花伝扇は初めて花伝所の錬成師範をつとめた者に、松岡校長が筆をとり贈ってきた扇だ。42[花]のふたりの錬成師範には、その文字を使った扇が田中晶子所長から手渡された。42[花]が始まると、いきいきと自らの編集力を発揮し、と […]