発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

右手で稲を刈り、左手で田起こしをする。イシス編集学校における二期作は、休閑期間を設けない。終わってから次に向かうのではなく同時進行だ。
54[守]指導陣の初顔合わせは、53[守]の教室が閉じられた2024年9月8日に行われた。「感門之盟がまだなので、終わったーという感じがなくもう次の話」「先ほど最後の指南を返したのを見届けた」「明日の53[守]の集まりと開始時間を間違えた」。そんな声がZoom越しに飛び交う。それもそのはず、53[守]のボードメンバーは、全員54[守]も継続するのだ。しかしそれは単純な継続ではなく、より面白くなるための継続だ。
阿曽祐子、景山和浩、渡辺恒久の三番匠に石黒好美が加わり、四番匠体制へ。若林牧子、相部礼子、石井梨香は同朋衆として、別様の評価方法を試みる。新しい空気に触れさせることも忘れてはならない。追肥されたのは4名。もみにもまれて16[離]を退院して戻ってきた佐藤健太郎。新米のジャイ子に俳句新人賞と多彩な一倉広美と、41[花]で刀を振り回していた中村裕美。そして、あいだから世界をみていた奥本英宏が、38[守]以来17期ぶりに[守]の師範として帰ってきた。
変わらざるを得ない54[守]。継承すべきものと更新されるもの。ミーティングを終えたボードラウンジでは、交し合いが加速し、高騰中の米に負けないくらい、ボルテージが上がっている。引き続きの者と新たな者が鋤きこまれ、田植えの時を待つ。
▲高騰中の54[守]指導陣(提供:阿曽祐子)
◎粒不揃いな54守ボードメンバー◎
学匠 人たらしな「コシヒカリ」 鈴木康代
番匠 颯爽とかき回す「みずかがみ」 阿曽祐子
どんと構えて受け止める「ゆめぴりか」 景山和浩
新鮮さを忘れずふうわり包む「ヒノヒカリ」 渡辺恒久おちゃめに駆ける「ササニシキ」 石黒好美
師範 根っからのモノ言い「青天の霹靂」 角山祥道
ここぞを射貫く「はえぬき」 阿久津健
やわらかく物語る「ななつぼし」 福澤美穂子
軽やかに踊る「きぬむすめ」 北條玲子
元気にくいつく「ミルキークイーン」 紀平尚子
風格たっぷり「まっしぐら」 山崎智章
ひょうひょうと悪路を走る「雪若丸」 佐藤健太郎
醸し出てしまう落ち着き「あきたこまち」 奥本英宏
チャーミングに詠う「つや姫」 一倉広美
のせられてのっかる「新之助」 中村裕美同朋衆 さらっとおもてなす「いちほまれ」 若林牧子
優雅時々ずばっと「キヌヒカリ」 相部礼子
安心の多出没「ひとめぼれ」 石井梨香
文・アイキャッチ:54[守]師範 中村裕美
◆イシス編集学校 第54期[守]基本コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
◆イシス編集学校 第53期[破]応用コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月14日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/ha
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
緊急開催!!! 特別講義「佐藤優の編集宣言」の読前ミーティング
特別講義「佐藤優の編集宣言」(7月6日開催)まであと一週間という金曜、55[守]最初の番選ボードレールの講評のさなか、特別講義チームによるミーティングが開催された。 数日前に佐藤優さんから課題本『消された外 […]
「この部屋、昼はこんなにまぶしかったんですね」 東京から駆け付けた学林局の衣笠純子が、教室を見てつぶやいた。6月17日、大阪は快晴。近畿大学・アカデミックシアターのACT-116はガラス張りで、午後の光 […]
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「山の山頂、ピークの先にある見たこともない風景を、みんなで見たい」。6月7日に開催された55[守]「第2回創守座」で山派レオモード教室の田中志穂師範代が熱を込めて語った。 「創守座」はイシス編集学校で教室をあずかる師 […]
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。