巣の入口に集結して、何やら相談中のニホンミツバチたち。言葉はなくても、ダンスや触れ合いやそれに基づく現場探索の積み重ねによって、短時間で最良の意思決定に辿り着く。人間はどこで間違ってしまったのだろう。
2020年1月にスタートした〈多読ジム〉は、20季を節目にして、ついにファイナルシーズンを迎えます。
とはいえもちろん、イシスから「多読」のコースウェアが消えてしまうわけではなく、その後はまったく別種別様のよそおいをもって「多読アレゴリア(仮)」に生まれ変わる予定です。
しかし、〈多読ジム〉が最終章を迎えることは間違いありません。これでおしまいになります。ですから、これを機に、この締めくくりに、あらためてぜひとも〈多読ジム〉のポテンシャルを味わい尽くしていただきたく願っています。
集え! 最終章へ! 現在受講中の皆さんも、いったんは退会された皆さんも、未受講の皆さんも、一堂に集っていただき、多読共読の”仕舞い”を踊り尽くしましょう!
さて、2024年9月9日にスタートする多読ジムSeason20秋のラインナップはコチラです。
<1>ブッククエスト :松岡正剛◎対談本20冊
<2>エディション読み:『数学的』
<3>三冊筋プレス :20歳の私に贈りたい3冊
▼タモリも美輪サンもレオレオニも
「校長本」に的を絞った〈ブッククエスト〉のテーマは”季念”すべきラストシーズンを飾るにまったくふさわしいテーマといって良いのではないでしょうか。言うまでもなく、そもそも多読ジムの発端は「校長本」の『多読術』(ちくまプリマー新書)でした。
それなら、ここであらためて校長本にどっぷり浸かってみることで、「多読」の新たなる光や視座や可能性を、校長が次なる「アレゴリア」に込めた思いというものを、発掘できるかもしれません。
また、あえて「対談本」にフォーカスした点もアピールポイントです。おそらく実は「対談本」という切り口で校長本を揃えるというのはこれまであまりなかった試みではないでしょうか。
対談本の校長のお相手はざっとこんな感じです。
ブックリスト
松岡正剛◎対談本20冊
『二十一世紀精神』津島秀彦/工作舎/1975
『タルホ事典』潮出版社/1975
『愛の傾向と対策』タモリ/プラネタリーブックス・工作舎/1980
『間の本』レオ・レオーニ/工作舎/1981
『日本人のこころ 神と人のあいだ』五木寛之・田中優子ほか/角川書店/1993
『インターネット・ストラテジー』金子郁容・吉村伸/ダイヤモンド社/1995
『イメージとマネージ』平尾誠二/集英社/1996 ※1999年文庫版出版
『色っぽい人々』淡交社/1998
『二十世紀の忘れもの』佐治晴夫/雲母書房/1999
『内田繁+松岡正剛が開くデザイン12の扉』丸善/2001
『脳と日本人』茂木健一郎/文藝春秋社/2007 ※2010年文庫版出版
『日本力』エバレット・ブラウン/パルコ出版/2010
『意身伝心-コトバとカラダのお作法』田中泯/春秋社/2013
『月と幻想科学』荒俣宏 /立東舎文庫/ 2016
『謎床ー思考が発行する編集術』ドミニク・チェン/晶文社/2017
『日本問答』田中優子/岩波新書/2017
『読む力』佐藤優/中公新書ラクレ/2018
『江戸問答』田中優子/岩波新書/2021
『科学と生命と言語の秘密』津田一郎/文春新書/2023
タルホ、タモリ、レオレオニ、五木寛之、平尾誠二、美輪明宏、萩尾望都、荒俣宏、田中優子、津田一郎などなどなど。全員が全員、ピカイチの超一流ですね。
校長へのラブレターやプレゼントのつもりで、回答に取り組んでみてはいかがでしょうか。校長も、きっと喜んで受け取ってくれることでしょう!(もしかしたら、校長からお返事が来たりとかして…)
▼「カオス的編集」あるいは「編集的カオス」の時代へ
そして〈エディション読み〉は、エディションシリーズ30冊目にして最新刊の『数学的』です。〈ブッククエスト〉のブックリストにも入っている津田一郎さんとの対談本『科学と生命と言語の秘密』と重ねて読むのも一興です。本書では、「数学的精神」がいかに編集工学の礎になっているかということが初めて明かされました。
津田さんは松岡校長の数学的盟友であるとともに、『数学的』のキーマンでもあります。巻頭口絵に登場するとともに、「第三章 非線形で考える」には千夜千冊107夜 津田一郎『カオス的脳観』が収録されています。また、津田さんと言えば、最近では「アドバイザリー・ボード『ISIS co-mission」(イシス・コミッション)就任』がエディストでも話題となりました。
時代の潮流はいま、「カオス的編集」あるいは「編集的カオス」へと向かいつつあるのかもしれません。だからこそ、編集が数学やカオスに大きく接近している今こそ、『数学的』は大いに取り上げたい一冊です。
「独りではエディションが読めない…」という方は特に、〈エディション読み〉の共読は超オススメです。
▼「20歳の私」が「現在の私」を自由にする
〈三冊筋プレス〉は、season20の「20」と掛けまして「20歳の私に贈りたい3冊」。さて、どんな一冊を贈りたいか。選書のプロセスを楽しむために、いろいろ編集術が使えます。

例えば「フィルター」や「たくさんの私」の型で取り組むことができますね。「20歳の私」は人によっては「未来の私」かもしれないし、「過去の私」かもしれない。「過去の私」であれば[破]の「クロニクル編集術」の稽古を持ち出すこともできますし、「未来の私」であれば「ないもの」を使うこともできます。
「たくさんの私」は「連想シソーラス」が鍵になる。「未来の私」も「過去の私」も決して固定的なイメージではなく、「現在の私」の見方のマネージによって、いくらでも「言い換え」ができるのが面白いところです。
そして「20歳の私」の新たな別様可能性に出会うことは、「現在の私」をもより自由にしてくれるのではないかと思います。
泣いても笑っても最後の〈多読ジム〉。
たくさんの方のご参集をお待ちしております!
Info 多読ジムFINAL★season20 秋
【URL】https://es.isis.ne.jp/gym
【定員】若干名
【開講日】2024年9月9日(月)
【申込締切日】2024年9月2日(月)
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)season 20 秋スタートの場合
購入時に2024年9月分を決済
2024年9月26日に10月分、以後継続
※申込後最初のシーズンの間は
イシス編集学校規約第6条に定める
期間後の解約はできません。
あらかじめご了承ください。
→ 解約については募集概要をご確認ください。
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:夢野久作
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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2025-12-16
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