ハンノキの葉のうえで、総身を白い菌に侵されて命を終えていたキハダケンモンの幼虫。見なかったことにしてしまいたくなるこんな存在も、アングルを変えてレンズを向けてみると、メルヘン世界の住人に様変わりする。
午後四時半。一日の輪郭がほどけはじめる、その境目の時刻。昼と夜のあわいに、思考の灯がともります。
田中優子学長は、ある決意を胸に、この書斎に腰を下ろします。
――校長、松岡正剛の本をもっと読まねばならない。
――語られきっていない思考を語り直さねばならない。
松岡正剛の思想は、引用され、参照され、語られてきました。けれど、その「本」そのものは、案外、じっくり読まれていないのではないか。その違和感と焦りのようなものが、優子学長を突き動かしました。
これまで『日本問答』『江戸問答』『昭和問答』といった対談書を、第六夕〈別典祭スペシャル〉で取り上げてきました。しかし今回は、対話の余韻を離れ、松岡正剛の“書物そのもの”へと分け入ります。
最初にひらく一冊は、『日本文化の核心』。
江戸文化研究者として日本の底流を見つめ続けてきた田中優子が、松岡正剛の掲げた「日本という方法」に、言葉のひだに分け入るように迫ります。
それは、解説ではありません。紹介でもありません。読むことの姿勢を、もう一度、組み替える時間です。
日本とは何か。文化とは、どこから立ち上がるのか。そして私たちは、この国の思考をどう受け取り、どう編み直せるのか。
夕映えのひととき。仕事の余韻と夜の入口のあいだで、言葉がほどけ、思考が、静かに動き出します。このあとも、松岡正剛の書籍をめぐる夕べは続いていきます。連なってひらかれる読書の時間は、最初の一回に立ち会えるかどうかで、見え方がまったく変わる。どうか、この“決意の一冊”を、この夕方を、見逃さないでください。
◆ 酒上夕書斎 第九夕
日 程:2026年2月24日(火)
時 間:16:30~(生配信)
出 演:田中優子(イシス編集学校 学長/法政大学 前総長/江戸文化研究者)
会 場:ゴートクジ イシス館 応接室より生中継
配 信:YouTube LIVE にて無料配信
URL:https://youtube.com/live/tg4NhH3YLzs
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
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2026-02-10
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2026-02-05
誰にでも必ず訪れる最期の日。
それが、どのような形で訪れるかはわからないが、一番ありえそうなパターンの一つが終末介護病棟での最期じゃないだろうか。沖田×華先生と言えば、自虐ネタのエッセイマンガでよく知られるが、物語作家としても超一流だった。深く死に向き合いたい方は、是非ご一読を。
(沖田×華『お別れホスピタル』)
2026-02-03
鋸鍬形、犀兜、鰹象虫、乳母玉虫、碁石蜆、姫蛇の目、漣雀、星枯葉、舞妓虎蛾、雛鯱、韋駄天茶立、鶏冠軍配、鶉亀虫。見立ては、得体の知れないものたちを、手近に引き寄せたり、風雅に遊ばせることの糸口にもなる。