イシス編集学校には「伝習座」という場がある。指導陣が集い、学衆に伝える編集の方法を研鑽する場だ。
6月、編集学校の入門コース[守]と応用コース[破]が、それぞれ別日に行われた。約7時間、もしくはそれ以上の時間、英知を身体に通し続ける。その情報量は溢れんばかりで、全身を持ってしても入りきらない。それでもなんとか入れたい、と指導陣の誰もが思っている。ハイチャージをつくって向かうことで創発が起こっていくことを、編集学校を通して知っているのだ。
果敢なチャレンジである。
みんな、仕事や家事育児・社会活動など様々なことをしている。その傍で編集学校のロールを担うのだから。
なぜ、そんなことができるのか。
どうして、そこまで燃えるのか。
その秘密を覗くべく、50期[破]第2回伝習座を写真で辿ってみよう。
※第1回目の様子はこちら。
豪徳寺にあるイシス編集学校の拠点「本楼」。シックな黒い壁の中に火を灯すような赤いロゴ。小さいながら、補色である緑色との対比からもひときわ存在感を示している。
6月3日土曜日の正午。前日から朝にかけて全国的に降り続いていた大雨が上がった。
伝習座はここ本楼で行われる。zoomからも参加できるが、遠方から新幹線などを使って本楼に来る人も多い。しかしこの日は大雨の影響で一部の交通機関が急遽、運休に。来所を予定していたものの来られなくなった指導陣たちもいて、彼らはzoomでの参加を余儀なくされた。
想定外から始まる伝習座。いきなり編集力の見せ場が来るとは。
颯爽と来所する師範代総山健太。
13時の開始を前に、師範代たちが本楼へと集まってくる。
本に囲まれた躙り口を通って師範代たちが席入りした。
本番直前。場内に満ちる師範代たちの緊張感が躙り口に漏れ出てくる。
上部のモニターを食い入るように見つめる指導陣。
視線の先にいるのは…
校長松岡だ。「破」とは何か、を映像上で喝破する。
そしてメッセージをこう結んだ。
校長松岡の喝破を受けて打破しようという師範代たちの思いが、力強い拍手の音に宿る。
場を温めるような声色で指導陣にエールを送る局長佐々木千佳。
モニターの向こうにもたくさんの人がいる。指導陣に加え、各教室から1人ずつ学衆が参加しているのだ。局長佐々木の言葉に、ロールも場所も超えて一体感が生まれていく。
挨拶をする学匠原田淳子。「方庵」と書かれているTシャツに身を包む。
編集学校には、校長直伝の編集奥義を読むことができる場がある。「校長室方庵」だ。
この”方庵Tシャツ”が作られたのは、遡ること6年以上前。それを学匠原田は、今回の伝習座で身に纏うことにした。時を超えて継承される奥義を伝承をしよう。そんなメッセージが意匠を凝らした衣装から伝わってくる。
師範代が、教室運営で掴んだこと・抱負などを要約して言葉に託す。その言葉を受けた師範は、師範代にここからの南を指し示す。
イシス編集学校は、誰もがテキストで交わし合っている。それは師範と師範代も同じで、顔を合わせたことは指折り数えて片手で余るくらいの人が多い。それなのになぜ、真摯なまなざしを向け合えるのか。
師範は、師範代のふるまいから見える切実を汲み取る。師範代からの相談にいつでも応じる。師範代は、そんな師範が精神的な支えになる。そして互いに共通する思いもある。知を継承する役割を引き受けていく勇気だ。
ダルマ・マントラ教室の師範代小野泰秀。教室を見守る師範天野陽子(後方)の言葉を、全身に染み込ませるようにして聴く。
絆を結び、覚悟を共にする。
だから彼らが向けあうまなざしは火が灯ったように熱く、そして真摯なのだ。
本楼の壁にあしらわれた「ISIS」のロゴのように。
□シリーズ
まなざしの奥にあるものは_第1視【50[破]伝習座】
宮坂由香
編集的先達:橋本久仁彦。子どもに忍術を教え、毎日ジムに通い、夜勤あけに富士山に登る、というストイックなまでの体力限界ギリギリな経歴。現在も出版社で編集補佐、個人で画像編集・フォトグラファー、編集力チェックの師範代と八面六臂の活躍で周りに刺激を与え続ける元気印ガール。
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50[破]の第2回伝習座を写真で辿る「まなざしの奥にあるものは」も、いよいよ最終視。ここまでの道のりを思い起こしつつ、更に奥へと進もう。 ※歩いてきた道はこちら→第1視/第2視 本楼入口にある […]
50[破]の第2回伝習座を写真で辿る「まなざしの奥にあるものは」。 今回は2視目。さっそく辿っていこう。 ※1視目の様子はこちら→第1視 自分で作った限界を破り、未知へと進む力をつける。それが […]