縁側と中庭と畳敷き。「わび・さび・すさびの編集術」のテーマにふさわしく、オープン間もない金沢町家アートスペース be金沢が会場に選ばれた。ひがし茶屋街からすぐ近くの立地だ。
この部屋にある「さび」を集めてください。2019年8月12日、エディットツアースペシャル金沢には、小6からおばあちゃんまで、風流人11名が駆け付け、こんな問いからはじまった。
さび(寂び)とは、ひっそりと落ち着いた現象にひそむ寂しさと、それに対応した感情にひそむ寂しさがまじること。小上がりの和室はガランとして、ちゃぶ台が1つあるだけなのだが、編集フィルターを使えば、次々と「さび」が集まった。
開けにくそうな小窓 / 土間のひび割れ / 行灯のやわらかい光 / 黒くなった柱 / 庭の古めかしい壺 / ボソボソと落ちていく蚊取り線香 / 畳のにおい / 中庭で風化した樹皮 / あと何度聞けるか分からない蝉の声…。「この部屋から見える”さび”」を集めたのは少しルール違反だが、内外の境界が曖昧な町家ならではの情報収集であった。
「わび・さび・すさび」の後には、数寄者が好む「やつし」も紹介された。クラッシュデニムもその一例である。わざと見すぼらしくする、あえて劣ったようになってみる、という日本文化の美意識のことをいう。「やつし」を表現しきっているのは、ジュリー、清志郎、それからエレカシの宮本だ。
「やつし」が分かった小6は好んで髪をグシャグシャにした。
八田英子
編集工学を世界に広めるために編集工学研究所に入所した元SE。不適な笑みを湛えながら、問答無用でばさばさと人を斬りまくる。編集的先達は沢田研二。
2万冊の本に囲まれて“本楼共茶会”を開催します 世田谷区赤堤のISIS館には、イシス編集学校の校長 松岡正剛の蔵書に、ぐるりと囲まれたブックサロンスペース“本楼(ほんろう)”がある。 行ってみ […]
【オンライン・無料】2024秋 学校説明会は10月14日開催がラストです
イシス編集学校は、世界でたった一つの「方法」の学校です。 その方法を学ぶために入門した動機は実にさまざま。 頭の中を言語化する力をつけたいから。 生成AIの登場で編集力の重要さを感じたから。 生きるこ […]
2万冊の本に囲まれて“本楼共茶会”を開催します 世田谷区赤堤のISIS館には、イシス編集学校の校長 松岡正剛の蔵書に、ぐるりと囲まれたブックサロンスペース“本楼(ほんろう)”がある。 行ってみ […]
約2万冊の本にぐるりと囲まれたブックサロンスペース「本楼」は、イシス編集学校経験者にとって魅惑の秘密基地である。イシス未経験者にとっては不穏な未知基地だろう。何かいいことがありそうな一粒万倍日の7月20日、イシスを良く知 […]
2万冊の本に囲まれて“本楼共茶会”がはじまります 世田谷区赤堤のISIS館には、イシス編集学校の校長 松岡正剛の蔵書に、ぐるりと囲まれた“本楼(ほんろう)”というブックサロンスペースがある。 […]