何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

エリック・サティのジムノペティが静かに流れる店内に続々と人が訪れる。8月12日、猛暑のお盆最中に総勢24名が集まり、席はすぐに埋まった。
エディットツアースペシャル名古屋会場はちくさ正文館書店二階の旧モノコト。午後2時定刻通り、進行役小島伸吾の挨拶から始まった。たっぷり40分間、正文館書店主・古田一晴さんの本棚論を聞くことができる。
冒頭、小島が古田さんに書店員になったきっかけの話をふると、独特の古田節が堰を切った。まさしく一気呵成だ。田中泯とのコラボの話から伝説の網野善彦の歴史ブックフェアの話、大型書店進出以降の読者層の変化のことから映画の話まで、本の話にとどまらないのが古田棚論なのだ。
最後に古田さんはその奥義の一端を開闢してくれた。「棚はつねに動かして、本に触っていることが大事。俺個人の本棚であると同時に客の本棚でもあるんだよ。棚は共謀してつくるんだ」とニヤリ。アーティストよりも過激なタナリストの眼が光った。
小島
編集的先達:葛飾北斎。名古屋の旦那衆をつなげる面影座主宰。クセのある中部メンバーを束ねる曼名伽組二代目組長。本業は豆に定評のあるヴァンキコーヒーロースター代表。セイゴオ版画も手がける多才な情熱家。
【Playlist】 独然アート ぼくはエディストを好きに見てきた 小島伸吾選
「筆墨ノ場ノ逸民」であるテッサイと同じ誕生日の 「本楼ノ場ノ逸民」であるセイゴオに捧げる。 私然―半然、公然―混然、見然―読然、偶然にして愕然。 エディストはずっと前から独然アートだったのである。 &nbs […]
名古屋には、独特なノーマルを自負する文化があります。 ときに、それはフツーとか中途半端とか、魅力のない都市no.1とか揶揄されたりしますが、じつはこれは「やつし」の編集術だったのです。 「やつし」とは「やん […]
「三絃の面影~熱田白鳥で端唄をあそぶ~」 “記憶と想起”の面影座
昼下がりの池泉回遊式庭園。青天を映した池に水鳥が降り立った。 水面(みなも)に波紋が広がると三味線の音がチンーとかさなった。 ナゴヤ面影座第五講「三絃の面影~熱田白鳥で端唄をあそぶ~」は、11月4日( […]
まるで大工の親方のような風貌だが、奏でる三味の音は繊細だ。その裏声は艶やかで官能的だ。 松岡校長に“日本の宝”と云わしめた本條秀太郎の端唄を聞きに豊田能楽堂に行く。すでに本楼での「イシスフェスタ」や校長 […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。