本来、物語には階層がある。時計が時を刻むような一定のリズムでは進まない。複数の物語が入り組んで同時に動いている。目の前の出来事をどう読み取りどう伝えるのか。それは「誰が誰に、なにを届けたいのか」によって、語られなおすべきものだ。
感門之盟「冠界式」で教室名を授かった52[守]の師範代たちは、教室の世界観をビジュアル化しフライヤーを作成した。「教室名」がもつワールドモデルを、編集的方法をつかって語りなおしたのだ。
「編集は与件から生まれるというのはどういうことか」レクチャーする吉村林頭。
教室名フライヤー作成というお題には、「内側の与件」と「外側の与件」があるという。
フライヤーとしての機能をはたしているか。教室名が表している世界を引き取っているか。イシス編集学校の守という講座、そのなかの教室という包含的な階層を想定できているか。ここまでが「内側の与件」だ。
歩行的思索を意味する校長の言葉「思速」をベースに、自身のバイク数寄を凝らし変速を表現した。
さらに、社会問題を背景にしたり旬の話題を差し込んだり、教室と社会をつなげるインターフェースとしてフライヤーを機能させたい。「外側の与件」が社会と編集学校の接点をつくる。編集をまだ知らない誰かが、フライヤーを介して編集を探し当てることができるようにしたいのだ。
町田有理師範代/校長バージョン教室
コップの見え方がかわれば世界がかわる。編集の型をつかって世界の見方を動かす編集稽古の世界を表現。
まじめだけでは遊びが不足する。町田は教室名にちなみ裏バージョンを作成し、デュアルな世界観をあらわした。誰に伝えるかによって表と裏をつかいわける。
多様で多層な世界を物語るフライヤーを介して、それぞれの教室にたどり着くのはどんな学衆だろうか。
一様でリニアなインボイスのストーリーすらも内包する、ノンリニアな編集稽古の世界で、相転移的な創発を体験してほしい。
■イシス編集学校 基本コース[守] 秋講座 〜受付中!〜
稽古期間 2023年10月30日(月)~2月11日(日)
家族割、U23割あります。
詳細・申込はこちらから
https://es.isis.ne.jp/course/syu
阿部幸織
編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。
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