発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

普通の自己紹介では始まらない。なにしろ近畿大学×イシス編集学校のタッグ。挨拶代わりにお題が出る。「部屋にあるとっておきの3つをあげてください」。53[守]開講日恒例の交流会は、一風変わった自己紹介から始まった。少しだけ紹介すると…(左が自己紹介。右はわたしの心の声)。
5月13日に開講した53[守]は近大生21人が受講している。うち15人が会場の近大アカデミックシアターで、2人がZoomで交流会に参加した。始まる30分以上前から席についている学生が数人いる。満員の教室。少しはにかみながら、しかし堂々とした自己紹介。新しく近大番になった西村慧は「アドバイスを聞き、しっかり考えて発表してくれていることに感動した」と話す。
つづいて全員でお題001番「コップは何に使える?」に取り組む。パソコンに打ち込んだり、ノートに手書きしたり。学林局の衣笠純子と、番匠で近大番の景山和浩がテーブルを回ってアドバイスする。初めの5分は1人で考え、次に3~4人のグループで回答を見せ合う。「こんなん考えたんだけど」「それは浮かばなかった」。共読で回答がブラッシュアップされる。回答を見た近大番の中村麻人は「おもしろい回答が多いですね」と感心する。
おもしろい。といえば、近畿大学は「早慶近」「上品な大学ランク外」など、年初の日本を失笑させる新聞広告でおなじみ。今年は強面の職人が寿司を差し出し「あんたも知らん間に、近大を食べてんねんで」と迫った。人を食ったおよそ大学らしくない広告。旧態依然とした大学像に楔を打ち込むようだ。
[守]師範の石黒好美は、かつて伝習座の用法語りで「早慶近」に着目。「早慶」に「近」をプラスするなんて誰が思いつく? これこそ新たな価値を生む「三位一体」だと説明した。常識なんてなんぼのもん。それが近畿大学の矜持なのだ。
53[守]でも、近大生の常識に縛られない突飛な発想が飛び出すに違いない。日常に編集稽古を、一人でも多く卒門へ。そうすれば来年の新聞広告は「編集する大学日本一」になる。そんな夢をみる。
景山和浩
編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。
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コメント
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2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。