たどたどと――44[花]キャンプナウ#04

2025/12/15(月)18:37 img
img ZESTedit

たどたどと揺れる火は、点ずる先を探していたのだろうか。内外に吹く風にかき消されぬよう、焚べられる薪を頼りに、今こそ燃えよと寄り合い、やがて気焔を上げる。

 

2日間のトレーニングキャンプを締めくくるのは、花伝所恒例、全員参加のキャンプファイヤーだ。ここには、過去期の師範、師範代も花守衆として加わり、燃ゆる火を囲む。もちろん、キャンプファイヤーもエディットカフェ上で行われる。

 

すっかり暗くなったスタート時刻の19:00ちょうど、花目付の合図を待たずに、K・Kが勢いよく飛び出した。点呼と振り返りのスレッドを立ち上げたのだ。44[花]は初動がはやい。次々と声があがり個人の振り返りが投稿されれば、そこにグループワークを共にした仲間の言葉が重ねられていく。これまでの演習の成果か、振り返りのダンドリもお手のものだ。そうやって2日間のトレーニングキャンプを振り返れば、グループワークとして与えられた問い(お題)から、さらなる問いを見つけることになる。S・Tは「もし明日同じグループワークをするとしたら」とお題を作り、仲間に投げかけた。

 

1時間ほどすると、平野しのぶ花目付からキャンプファイヤー名物、[問答札]が差し入れられた。いつもはお題を受け取る側の入伝生が、師範や花守衆へ質問や相談を投げかけるチャンスだ。どんなことでもOKの無礼講。渦中では聞けなかったモヤモヤが[問答札]となって放たれ、火はさらに大きくなっていった。

 

あっという間に3時間が経ち燃える炎もやがて燠火となる頃、平野花目付より次なるフェーズへの出発が告げられた。

 

燠火は種火となり、消えることなくそれぞれの胸に灯り続ける。まだ見ぬ教室の学衆へ、世界をかえる方法を手渡すために。

 


【第44期[ISIS花伝所]関連記事】
缶切りはどこへ? ―44[花]ガイダンス
【書評】『アナーキスト人類学のための断章』×4× REVIEWS 花伝所 Special
編集を遊撃する――44[花]稽古模様

負をもって相を動かす―44[花]千夜多読仕立て

やってくる機ー44[花]5つの編集方針ワーク

44[花]花伝ブラウザが起動する式目の編集工学講義

44[花]仮想教室名で視界は良好!?

5分で書く・再び書く ー44[花]遊撃錬成師範のダントツ指南ワーク

<速報>投げ出された場で――44[花]キャンプナウ#01

<速報>師範代として――44[花]キャンプナウ#02

<速報>震えるほど――44[花]キャンプナウ#03

たどたどと――44[花]キャンプナウ#04

  • 大濱朋子

    編集的先達:パウル・クレー。ゴッホに憧れ南の沖縄へ。特別支援学校、工業高校、小中併置校など5つの異校種を渡り歩いた石垣島の美術教師。ZOOMでは、いつも車の中か黒板の前で現れる。離島の風が似合う白墨&鉛筆アーティスト。

  • <速報>震えるほど――44[花]キャンプナウ#03

    まるで吹き矢で射抜くようだった。   「いい加減、学衆の服は脱いでください」 「日常のスーツも脱ぎ捨ててください」 「あなたたちは、『師範代』です」   44[花]キャンプ2日目の朝は、指導陣からの檄 […]

  • <速報>師範代として――44[花]キャンプナウ#02

    キャンパーの多くが眠りについた頃、東の空には有明月が現れた。キャンプ場には44[花]のF・Kがひとり残っていた。 自分が考えてみたものを出すのって勇気が要りますね。 12月14日 02:44 [芭蕉庵]に、F・Kがろ組の […]

  • <速報>投げ出された場で――44[花]キャンプナウ

    天空に突如生まれる割れ目。そこから、自分のきているTシャツをひっくり返しながら脱ぐように、ジョージ・ガモフのトポロジーの発想で人体を裏返すように、44[花]ラウンジ上に新たな「場」が現れた。[しをり座]と[芭蕉庵]だ。そ […]

  • ウージの循環――石垣の隙間から#11

    [ISIS花伝所]の花伝師範で美術教師。在住する石垣島の歴史や風土、祭祀や芸能、日常に息づく「編集」に気づいた大濱朋子が、日々目にするトポフィリアを“石垣の隙間から”描きだす。    3メートルを超えるサトウキ […]

  • 【よみかき探Qクラブ】千夜千冊共読レポ――机の上に立ち上がれ!

    「浮気も不倫もOK」 「本は武器だ」 「流血も怖くない」    過激な発言が飛び交う共読会が9月半ばに開催された。  主催はよみかき探Qクラブ。このクラブ、松岡正剛校長の「そろそろ僕も、明日の少年少女のために想 […]