中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
第75回 感門之盟の2日目、突破式に続いて行われたのは、花伝所の放伝式だ。[破]を修了したものだけが許される、師範代養成コースである。
第34期[花]では、18名が演習を行い、全員みごとに放伝を迎えた。指導陣14名とともに、式目の型を確かめながら、情報へのヨリヒキを楽しみまねぶ34期となった。このうち15名が4月開講の47[守]で、師範代デビューを控えている。
今回、34[花]では、4名の新しい花伝指導陣が誕生した。初の花伝錬成師範をまっとうした4名へ、松岡正剛校長から「花伝」の二文字を書した扇が贈られた。編集学校の要、方法の奥義を託すかのようである。
◆加藤めぐみ 花伝錬成師範

◆吉居奈々 花伝錬成師範

◆山田細香 花伝錬成師範

◆網口渓太 花伝錬成師範

それぞれの扇には、ちいさな遊びこころが踊る。たとえば加藤と吉居の扇には、くろぐろとした「花」と「伝」のあいだを取りもつように、英字スタンプのふりをした「KTMG」「NANA」の4文字がちょこんと並ぶ。それはまるで、ずしりとした花伝式目をかろやかに入伝生に伝えるふたりの姿にも見えてくる。
続いて、花伝錬成師範を複数回つとめた方へ、松岡校長が厳選した1冊「師範選書」が授与された。授与を受けたメンバーはこの10名。
竹川智子 花伝師範
白川雅敏 花伝師範
林朝恵 花伝師範
小川玲子 花伝師範
岩野範昭 錬成師範
小倉圭吾 錬成師範
竹川智子 錬成師範
中村麻人 錬成師範
和田めぐみ 錬成師範
深谷もと佳 花目付
三津田知子 花目付

(今福龍太/新潮選書)

また今回は、司会の八田も知らないサプライズがあった。
今期はじめて「花目付」就任となった深谷もと佳に、特別に「花目付」の書が贈られたのだ。

指導陣へのねぎらいの拍手が止む間もなく、本楼は放伝生たちの晴れ舞台「教室名発表」へとなだれこんでいった。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
【田中優子の学長通信】No.12 『不確かな時代の「編集稽古」入門』予告
この表題は、もうじき刊行される本の題名です。この本には、25名もの「もと学衆さん」や師範代経験者たちが登場します。それだけの人たちに協力していただいてできた本です。もちろん、イシス編集学校のスタッフたちにも読んでもらい […]
田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい)」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 さて、11月は待望の「本の祭典」月間がやってきます。11月2日は福岡で、11月23日、24日は東京・豪徳寺で、 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
【プレスリリース】本好き必見:松岡正剛の郷読&多読 2大ブックフェス開催!11月、東京と福岡で「本の祭典」——九州は田中優子トーク、東京は6万冊の本棚空間で古本市&ライブトークをイシス編集学校が初開催
本を読むだけでは終わらない、本の新たな可能性をひらく読書の祭典へ——。 イシス編集学校は、11月に福岡と東京で本好き必見の二大イベントを開催します。校長であり編集工学者の松岡正剛の読書術を活かした「郷読」「多読」の祭典で […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-29
中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2025-10-28
松を食べ荒らす上に有毒なので徹底的に嫌われているマツカレハ。実は主に古い葉を食べ、地表に落とす糞が木の栄養になっている。「人間」にとっての大害虫も「地球」という舞台の上では愛おしい働き者に他ならない。
2025-10-20
先人の見立て力にひれ伏すしかないと思って来た「墨流し」。戯れに、Chatさんに「蝶のスミナガシを別の見立てで改名するにはどんな名前がいいですか?」と尋ねてみて、瞬時に現れた名答に打ち拉がれております。