『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

焚き火、星空、ランタンの灯。
山小屋仕立ての「ヒュッテ・ブリコ」に、突破を果たした六人の学衆が集った。ちちろ夕然教室(福井千裕師範代)と縞状アンサンブル教室(田中香師範代)を有するチーム・ブリコの合同汁講である。バーチャルヒュッテ、山小屋のしつらえは、福井師範代のオハコ。パチパチと薪の爆ぜる音が響く。思い思いの飲み物を片手に、Zoom画面に映し出された焚き火の炎を見つめながら、来し方行く末を語り合う。
「文章が書けるようになった」「言葉の選び方が変わった」「歴史や読書に興味を持つようになった」「これまでとは選ぶ本が変わった」「時間編集ができるようになった」「3千字の物語が、自分に書けるなんて驚き」「文章が磨かれたと感じる」など口々に破で起きた変化を言葉にする。
最初は無理だと思ったけれど、突破できてよかった。ある学衆は進破を躊躇っていた時、守の仲間から言われた「無理って言ってたらいつまで経っても無理だよ」のひとことが、前に進む後押しになったと振り返る。
「指南を読むのが楽しみでした」「指南をもらって初めて『自分はこんなことを考えていたんだ』と気づくことがありました」師範代にとっては贈り物のような言葉も飛び出した。
仕事が、プライベートが、年齢が、と先に進むことを躊躇う理由はたくさんある。しかし迷うということは、やりたい気持ちがあるということ。自分の数奇を大切に好奇心をエンジンに、進め編集のその先へ!
さまざまな想いをのせて、ヒュッテ・ブリコの夜は更けゆく。
戸田由香
編集的先達:バルザック。ビジネス編集ワークからイシスに入門するも、物語講座ではSMを題材に描き、官能派で自称・ヘンタイストの本領を発揮。中学時はバンカラに憧れ、下駄で通学したという精神のアンドロギュノス。
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コメント
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2025-10-15
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