アフターコロナの明るい兆しも感じさせる、雲ひとつない青空がひろがった2023年春の感門之盟 Day2。49破の突破式に先立ち、春も一緒に連れてきたような桃色の着物で登壇した原田淳子[破]学匠は、コロナ禍から社会が日常へと戻りつつあった世界で、さまざまな事情を抱えながら破の稽古を進め、指南を届けてきた、学衆と指導陣に向けてメッセージを贈った。
■編集学校のユニークネス
編集学校の師範代は、年齢も経験も職業もさまざまだ。編集学校のユニークさを支えるのは師範代の「多様さ」である。入門してから1年半で、学衆から師範代へとロールを着替えられる仕組みによって、他者と世界と自分が一緒になったまま、フラジャイルな状態で師範代になる。ときに危なっかしさも感じるそのゆらぎがあるからこそ、学衆と師範代の間には相互編集が起こり、常に変化が生まれ、場をいきいきとさせていく。
■世界とのつながりを取り戻す
指南を受けてホクホクしたり、グサッときたり。教室の仲間の声が聞こえなくなると、どうしたのだろうと思ったり。学衆としての自分の中に、いろんな他者が流れ込んできて、半分くらい師範代になったようなときもあっただろう。短い期間に、さまざまな稽古や交し合いをすることで、自分と他者、自分と世界のつながりを持ち続けられる。編集学校では、実はそれを狙っているのだ。
■フラジリティとエディトリアリティ
既存のルールを身に着けるたび、世界と自分が分かれていなかった頃に持っていた幼ごころを忘れてしまう。フラジリティを持ちながら、エディトリアリティに変えていく。それが編集学校である。そんなユニークな学校である編集学校が、ずっと世界にあり続けて欲しい。
「このさきも編集学校が在り続けていく道は、みなさんが編集を続けていくこと。編集の道を共に続けていきましょう。」
今期、神出鬼没に教室に現れ、こちらとあちらを結んできた[破]学匠・原田淳子は、願いを込め、次のステージへと優しく背を押した。
米田奈穂
編集的先達:穂村弘。滋賀県長浜出身で、伝統芸能を愛する大学図書館司書。教室名の「あやつり近江」は文楽と郷土からとられた。ワークショップの構成力に持ち前の論理構築力を発揮する。
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