「カオス的編Rec」は、ISIS Co-missionのお一人、津田一郎さん監修のもと、サイエンスの方法を借りて「問い方」を学ぶ多読クラブです。
「なぜ?」「何?」と日々浮かぶ疑問のほとんどは、答えらしきものに即座に塗り替えられたり、問うまでもないことと埋められたり、泡のように消えてしまったりするものでしょう。
問い方を見失ってゆくことは、松岡校長が『知の編集工学』で警鐘を鳴らした「世界モデルが摩耗している」とも深くつながっています。
多読アレゴリア「カオス的編Rec」では、世界観を持ちえないのは、問いがないからではないか?という仮説に出発しましょう。
ではなぜ、サイエンスなのか。
科学者たちが“パラダイム・シフト”によって打ち立ててきた新たな世界観や、その世界観によって見出された世界モデルは、力強くも小さな問いから芽吹いてきたものでした。
●科学者たちの「はじまりは問い」
・光と同じ速さで飛んでいるとき、鏡に自分は映るのか?から発見されたアインシュタインの「光速度一定の法則」。
・「平行線が交わる世界があるとしたら?」から生じた非ユークリッド幾何学。
・量子は波でもあるのでは?から一気に転じた量子力学。
どれもその条件ひとつで、ガラリと世界観を変えてきた問いたちです。そして、津田さんの「数学は心だ」もそう!
数学という学問の本質は何だろうか、から、人の心の動きがまさに数学によって表現されているのではないか?へと進んだ津田さんの問いの変遷も見逃せません。
近代科学は、決定論的な因果関係にもとづき、また部分に分解し分析的に物事を見ることによって、自然の姿をつまびらかにしてきました。けれど、ゲーデルの不完全性定理や、ポアンカレによるカオスの発見は、私たち人間が自然、ひいては世界を理解するとはどういうことなのか、と見方を問い返します。
オーストリアで不完全性定理が証明されようとしている頃、日本では寺田寅彦がこのように語りました。
全くこのごろは化け物どもがあまりにいなくなり過ぎた感がある。
[…中略…]
化け物がないと思うのはかえってほんとうの迷信である。 宇宙は永久に怪異に満ちている。 あらゆる科学の書物は百鬼夜行絵巻物である。 それをひもといてその怪異に戦慄する心持ちがなくなれば、もう科学は死んでしまうのである。
寺田寅彦 『化け物の進化』
注意のカーソルを鋭敏にし、「驚き」をもって、怪異に満ちた世界に出会い直しにいきましょう。
津田一郎さんを「質長」として迎え、ご一緒するのは、寺田充宏(盤頭)、梅澤光由(霊頭)、稲垣景子(物頭)の3名です。
みなさんとともに、読書と問いの遍歴をめぐり、サイエンスとエディティングの交差点に立ち会うことを胸踊らせて楽しみにしております!
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●どんなクラブ?
本を読むことを通して世界に対する問いをつくる、世界を問う仮説をつくる方法を学ぶ。
※お題を通じて進んでいくスタイルです。
●目指す南
津田さんの科学的読書法を参考にしながら、自ら問いを立て、多様な世界観を更新していける感覚をつかむ。
●どんなことをするの?
・目次読書
・問い方をまなぶ、実践する
・仮説を立てる、実践する
・日本的科学思考を取り扱う
●準備するもの
・『
・『問いの編集力』安藤昭子(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
・『精神指導の規則』デカルト(岩波文庫)
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多読アレゴリア カオス的編Rec
・定員 :30名
・申込締切:5月26日(月)
・開講期間:6月2日(月)~8月24日(日) ※まずは3ヶ月限定の開講を予定
・受講費 :月額11,000円(税込)
※2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、
そちらをご利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください。
・申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025summer?variant=42353092722797
募集開始★多読アレゴリア 2025・夏スタート!!!!!!!
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稲垣景子
編集的先達:小林賢太郎。季節なら夏、花なら向日葵、動物なら柴犬。プロ野球ならドラフト1位でいきなり二桁勝利。周りまで明るくする輝きと愛嬌、ガッツとエネルギーをもち、ボルダリングからラクロスまでをこなす。東大からウェディングプランナー、ITベンチャーへの転身も軽やかにこなす出来すぎる師範。
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