ISIS 20周年師範代リレー [第1期 山田仁 てんやわんやの船出]

2020/06/14(日)09:00
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 2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2020年6月1日に20周年を迎えた。手探りで始まった第1期、学衆から師範代が初めて生まれ、新しい講座、イシスから『物語編集力』、15周年では『インタースコア』という書籍が出版された。そして昨年は「NEXT ISIS」を旗印に遊刊エディスト、多読ジムがスタート。現在開講中の第45期の師範代まで、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

 


 

 2000年問題の喧騒に始まり、5月にはプーチンが大統領に就任、ハリーポッターブームにM1グランプリ、プロジェクトXが始まったのもこのプレミアムイヤー。その6月1日、イシス編集学校の第1期がスタートしました。当時は守・破がひとつながり。修了は翌年2001年の6月30日でした。メッセージをくれた山田師範代といえば、現在も校長の千夜千冊を原著で全て読むという伴走荒行を敢行中。当時生まれた山田師範代の双子の娘さんは、いまやイシスと同じ20歳。今季45守の学衆として受講中です。

 

>あの日!あの時!千夜千冊!>
●創立の日にアップされた一夜はこれ


61夜:フリードリッヒ・マイネッケ『歴史主義の成立』

…2000年06月01日


◉この本を読んでいないと校長と「日本」を語れません


85夜:唐木順三『中世の文学』

…2000年07月05日

◎稽古条々の日々は当初から予告されていた


118夜:世阿弥元清『風姿花伝』

…2000年08月29日

 

 


>師範代これからメッセージ>

20周年まことにおめでとうございます!
まだ編集学校というカタチも柔らかで、情熱だけはあるものの、すべてが手探り状態だった第1期時代からすると、まさに夢、奇跡そのものです!
世の中の全ての人に編集学校の素晴らしさを知ってほしいな

 

メソッドファンド教室 山田仁


 

Designed by 穂積晴明

 

【図版引用】

Vladimir Putin taking the Presidential Oath from Wikipedia CC-BY4.0

https://en.wikipedia.org/wiki/Vladimir_Putin#/media/File:Putin_and_Yeltsin_cropped.jpg

・Kim Jong-il from Wikipedia CC-BY 4.0

https://de.wikipedia.org/wiki/Datei:Kim_Jong_Il.JPG

Kim Dae-jung from Wikipedia CC-BY 4.0

https://de.wikipedia.org/wiki/Datei:Kim_Dae-jung_(Cropped).png

An electronic sign at École centrale de Nantes incorrectly displaying the year 1900 on 3 January 2000 from Wikipedia CC-BY3.0

https://en.wikipedia.org/wiki/Year_2000_problem#/media/File:Bug_de_l’an_2000.jpg

・Sunset before 2000 Summer Olympics closing ceremony from Wikipedia Public Domain

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sunset_before_2000_Summer_Olympics_closing_ceremony.JPEG

 

 

  • 穂積晴明

    イシス編集学校方源、編集工学研究所デザイナー、「おっかけ千夜千冊」の千冊小僧。『情報の歴史21』『知の編集工学 増補版』ほか、編集学校のあらゆるものをデザインするが、疲れ目に祟り目でたまに目にカビが生える。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025