<速報>投げ出された場で――44[花]キャンプナウ

2025/12/13(土)21:00 img
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天空に突如生まれる割れ目。そこから、自分のきているTシャツをひっくり返しながら脱ぐように、ジョージ・ガモフのトポロジーの発想で人体を裏返すように、44[花]ラウンジ上に新たな「場」が現れた。[しをり座]と[芭蕉庵]だ。そこで、式目演習最後、M5マネージメントのトレーニングキャンプが始まった。

 

2つの場では、指南相察[しおり座]とグループワーク[芭蕉庵]が2日間にわたって繰り広げられる。ここでは、今や会議の定番であるzoomを使い同時刻に打ち合わせることも、短いメッセージや画像を即座に送れるLINEやInstagramなどのSNSを使うことも禁止だ。エディットカフェという制約も、各自の様々な事情も「与えられた問い」と心得る。「見つける問い」「作り出す問い」へ向かうことが期待されるのだ。

 

現在進行形の場に投げ出されたのは、10名の師範代の卵。44[花]は少数精鋭の9名の入伝生でスタートしたが、トレーニングキャンプには57[守]師範代登板を目指す新たな卵U・Aが、大きな流れに引き寄せられ駆けつけた。

 

そんなU・Aは「しをり座」というネーミングを見て「どんな星座なのかな?」とすかさず言葉の連なりから連想を飛ばす。知らないものばかりが集まる場に自らを馴染ませるための問いだろう。トレーニングキャンプが進めば、「回答⇔指南」を結ぶ線が星座のように、今この時にしかない図像を描き始めるのかもしれない。

 

日が落ちてからはもう一つの場[芭蕉庵]が賑やかになってきた。しかし、新しいスレッドやフォーマット、予定の報告ばかりではいただけない。進まぬグループワークにキャンプを見守る指導陣から横槍が入る。

 

投げ出された場でお題にどう取り組むのか、花伝式目演習の締めくくりとして、フルスロットルで遠慮なく相互編集をおこすべし。どんな部分も自由にしていく松岡正剛校長に倣って、超部分からハイパーへ向かうキャンパーたちの夜は、これからだ。


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●<速報>投げ出された場で――44[花]キャンプナウ

  • 大濱朋子

    編集的先達:パウル・クレー。ゴッホに憧れ南の沖縄へ。特別支援学校、工業高校、小中併置校など5つの異校種を渡り歩いた石垣島の美術教師。ZOOMでは、いつも車の中か黒板の前で現れる。離島の風が似合う白墨&鉛筆アーティスト。

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