【参丞EEL便#001】新たな[守][破][離]の誕生か?近大INDEXプログラムが始動した

2022/04/11(月)08:59
img

東大阪に「イシスの知のトポス」あり。近畿大学ビブリオシアターで「近大INDEXプログラム」がはじまった。

お題開発には、吉村林頭の編集方針のもと、1名2題ずつ、川野師範、梅澤師範、金代将が超高速で携わった。テスト教室の師範代は、47[守]どんでんコマンド教室・中村慧太にお願いした。実は現役近大5年生!(1年は遊学ならぬ休学)の中村師範代は、大学卒業と同時に、母校の図書館スタッフと学生の計6名を指南した。

 

プログラムのアウトプットは「棚語り」である。65ある近大INDEXの棚から1つ、師範代が受講者にわり当てる。もちろん、お題はイシス式。自分の好奇心をヒダヒダにして1冊の本に入り、3冊の束で知をドンデン返しし、本棚と世界のウラハラを語る。

未入門の図書館スタッフSさんは、お題が出ると即回答を連打し、あっという間に教室をリードした。トムキンスに火星にマット・デイモンに、SF好きなわたしが溢れだした。

2022年度は、”本番”教室が動きだす。本プログラムが近大INDEX版の[守]なら、次は[破]や[離]の開発を目指したい。そのほか近大×イシスのプロジェクトが連打される(予定だ)が、これはその序章である。


新年度スタートの2022年4月1日(金)、編工研@豪徳寺では、年1度の全社キックオフがあった。松岡さんからは「イシスやEELでは、絶対少数のオーバーエクステンションが、学びや場の相転移を起こしている。それを多様に語りなさい。」とスタッフへヒントがあった。まさに、中村師範代とSさんのあいだで、それが動いた。

 

近大INDEXプログラムには「手書きお題」もある。ビブリオシアター2Fは3万冊の漫画・新書・文庫が並ぶDONDENだが、 図書館スタッフSさんは、棚03「時空をめぐる宇宙力」のキーコミック『プラネテス』(幸村誠)のコマを組み合わせて、模写した。宇宙に惑う者の姿を(その決意の眼差しを)、棚を象徴するイメージとして一気に描いた。

 

 

 

[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]

東大阪通信 vol.1
//つづく//

 

 

  • 橋本英人

    函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。

  • 【参丞EEL便#036】AIDAシーズン3、閉幕へ

    かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]

  • 【参丞EEL便#035】地域にこそ、編集力と対話の場を

    「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」   一橋大学ビジネスス […]

  • 【参丞EEL便#034】 職場から「おしゃべり」が失われている?

    ブライアン・イーノは、1996年に「scenius(シーニアス)」という言葉をつくった。「scene + genius」。文化的および知的進歩の多くは、あるシーン(やリアルな場所)から、一種の集合的魔法をおこした多数の人 […]

  • 【参丞EEL便#033】「ちえなみき」で触れる7つの文字の世界

    ひとつ、「雲」という字は元々は「云」と書き、これは雲気たなびく下に、竜のくるっと巻いたしっぽが見えている形である。大昔、人々は雲の中に「竜」がいると考えていた。 来場者10万人を突破した福井県敦賀市「ちえなみき」で、「一 […]

  • 【参丞EEL便#032】一年を、むすんでひらく「本どこ屋」

    赤坂から、赤堤へ。 2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。   そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関 […]