私の28[花]キャンプは、吉阪隆正の建築思想【不連続統一体】の体験だった。場面ごとに異なる空間が次々と立ち現われてくる。よく分からないままに一周すると、ようやく建物を貫く原理のようなものが見えてくる。この「遅れて」やってくる全体性がたまらなかった。

共憶、共譜、共筆、共読。編集工学研究所では、「Co-Edit Shelf(仮)」と題して、一畳サイズ(横90cm×縦180cm×奥行編集中)の”超本棚装置”を開発している。
「Co-Edit Shelf」の棚には、「今考えたい問い」と「今こそ読みたい本」が、デリバリーされる。たとえば、エルザ・スキャパレリと高野文子と宇野千代の時代を動かすショッキングな異才にあやかり、『雨月物語』と『パサージュ論』と『膜は生きている』で虚実皮膜の世界観に出入りする。毎月更新型で、私と国家、心とサブカルチャー、働くと環境など、さまざまなテーマをお届けする予定である。
本棚と人間との関係をアッとおもしろくする試みにしたい。IT社会、SNSセカイがここまで定着した世の中であればこそ、本と想像力の関係がずっとゆかいになるルール・ロール・ツールを提供したい。特にツールは、棚にさしかかった人々が、共にリミックスやインタースコアを起こすものを用意する。Qから新たなQが、Qから次なるEが動くための「プログラム」や「配信番組」の準備にとりかかっている。
本棚開発自体も、共奏を目指している。編集学校の先達や指導陣や学び手のみなさんと、問いづくりから選書まで、番組構成から新たなソフトウェア開発まで、イシスとEELのブックウェア実験の場を企みたい。
ヘッダー写真は、編工研エディターで、15離にエントリーして世界読書にいどむ山本春奈の棚イメージ図。本棚も場も、騒がしく!
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
【参丞EEL便#034】 職場から「おしゃべり」が失われている?
ブライアン・イーノは、1996年に「scenius(シーニアス)」という言葉をつくった。「scene + genius」。文化的および知的進歩の多くは、あるシーン(やリアルな場所)から、一種の集合的魔法をおこした多数の人 […]
【参丞EEL便#033】「ちえなみき」で触れる7つの文字の世界
ひとつ、「雲」という字は元々は「云」と書き、これは雲気たなびく下に、竜のくるっと巻いたしっぽが見えている形である。大昔、人々は雲の中に「竜」がいると考えていた。 来場者10万人を突破した福井県敦賀市「ちえなみき」で、「一 […]
赤坂から、赤堤へ。 2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。 そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関 […]
コメント
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2025-07-03
私の28[花]キャンプは、吉阪隆正の建築思想【不連続統一体】の体験だった。場面ごとに異なる空間が次々と立ち現われてくる。よく分からないままに一周すると、ようやく建物を貫く原理のようなものが見えてくる。この「遅れて」やってくる全体性がたまらなかった。
2025-07-02
連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。