ひとつ、「雲」という字は元々は「云」と書き、これは雲気たなびく下に、竜のくるっと巻いたしっぽが見えている形である。大昔、人々は雲の中に「竜」がいると考えていた。
来場者10万人を突破した福井県敦賀市「ちえなみき」で、「一文字の中のものがたり」をテーマに、ワークショップを開催した。ゲストは画工の金子都美絵さん。
福井県は白川静の出身地であり、金子さんは生涯のテーマとする白川静の漢字の世界を2000枚以上イラストにしてきた。松岡校長とも親しい(平凡社ライブラリーで2022年刊行・松岡正剛『白川静―漢字の世界観』の記事にも金子さんが登場された)
金子さんが用意したのは、「雲」「念」「究」「集」「進」「思」「想」という7つの漢字。そして、漢字にひそむ、それぞれの文字のものがたりである。
ふたつ、「念」という字の「今」は栓のついているふたの形で、「心」は心臓の形。ふたをして中のものを閉じ込めるように、心中に深くかくす、心中に深く思うことを「念」といった。
何千年にもわたって一文字の中に紡がれてきた物語が立ち上がり、それを見て聞いた参加者は、湧きあがったイメージや連想を組み合わせ、1冊の折本に仕上げた。(詳細の様子はEELサイトの記事から)
漢字カタカナひらがな混じりで、読み書き写されきた日本語の方法を、現代に持ち出だすための3つのヒントが、先日のAIDAシーズン3第4講で松岡座長から投げかけられた。ちえなみきでは、日本語としるしと本のあいだをつなぐワークショップやセッションが今後も行われる予定だ。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
【参丞EEL便#034】 職場から「おしゃべり」が失われている?
ブライアン・イーノは、1996年に「scenius(シーニアス)」という言葉をつくった。「scene + genius」。文化的および知的進歩の多くは、あるシーン(やリアルな場所)から、一種の集合的魔法をおこした多数の人 […]
赤坂から、赤堤へ。 2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。 そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関 […]
【参丞EEL便#031】[AIDA]を一部公開、近大でDONDENフェス2022
堀江さんの連載・マンガのスコアで、「複雑な構図とアングルで構成された絵を、いきなり筆で描いていくのですから驚きます」と超絶的なカメラアイと技法が取り上げられた、漫画家・安彦良和さんがゲストで登場!! 近畿大学×編集工学研 […]