「忌まわしさ」という文化的なベールの向こう側では、アーティスト顔負けの職人技をふるう蟲たちが、無垢なカーソルの訪れを待っていてくれる。
このゲホウグモには、別口の超能力もあるけれど、それはまたの機会に。

コロナにより、出会いの場が制限されて、早三年。だからこそ、人と繋がる事はとても大切な事になった。
いっせいに配信されるテキストのお題に、学衆は文字で回答を返す。その回答には、師範代からの指南が再び文字で返される。イシス編集学校はオンラインの学校で、「編集稽古」は文字だけで行われる。「文字だけのやりとりとは思えない」とは、学衆からよく聞く感想だ。お互いの回答を読み合いながらの4ヶ月は、考え方やものの見方が大きく変わり、ともに学んだ仲間たちとの絆はかたい。
コロナが流行する前までは、汁講と呼ばれる歓談の場で、初めて、師範代や教室の皆と会えるのだが、47期はコロナの蔓延により、汁講も、卒業を祝う感門之盟も、全てリモート開催になってしまった。実際に会うことはできない、だが、リモートならではのダントツがあるはず。イシス編集学校の師範代は、編集を諦めなかった。
リモート開催では場所の制約がない。日本各地にいる学衆をオンラインでつなぎ、全員参加のワークを考えた。普段のお題回答は読む、書くだけだが、画面にフリップを出し、師範代が話をしながら、師範がチャットにお題を出す。出てくる回答にその場でずばりと指南を返す師範代。ライブな編集稽古に盛り上がり、歓談はあっという間に時間が過ぎた。しかし、リモートで届けることができなかったものが一つある。それが本楼の空間だ。二万冊あまりの日本に関する本が、壁にも柱にも造られた本棚にみっしりと詰まっている。まるで生き物と対峙するかのような空間だ。松岡正剛校長の数寄の至極、本楼は感門之盟が行われるハレの場であり、特別な場所なのだ。
コロナ禍が始まり三年、マスクを外す機会も増えた今、本楼で、47守破限定の合同汁講「ふきよせ会」を行う。
ふきよせとは、紅葉や落ち葉、さまざまな葉が風に吹かれて、運ばれ、集まってくること。それにちなんで、数種類のお菓子を、彩り豊かに詰め合わせたものを「ふきよせ」という。
卒門、突破によって散っていった[守][破]の学衆たちが、47守破師範代有志の起こした風により、桜の花びらが集う花筏のように本楼に集まる、季節外れのふきよせの見立てだ。
ふきよせ会は4月9日開催。
お題を通して、心を寄せた仲間たちの一年半ぶりの「初めまして」が本楼に響き合う。
「47守破限定 特別合同汁講 ふきよせ会 詳細」
日時 :2023年4月9日(日)14:00~17:00
内容 :本楼ツアーや本の交換会のほか、おやつを食べながらの歓談。
参加費 :2,000円(税込)
お支払いは当日現地で行います。
場所 :本楼
限定人数:30名
当日の持ち物
・参加費:2,000円
・「睡れるお宝本交換会」用の本:1冊
参加者同士で本の交換会を行います。ご自宅にある、積読本や、オススメ本をご持参ください。
誰の手元にいくかはわかりませんが、本の中(表紙裏など)にメッセージをご記入ください。
お申し込みはこちらから
https://forms.gle/LUUee7cSSVcifgg2A
扉を開けると…
井寸房。 本楼への扉は4月9日に開く。
北條玲子
編集的先達:池澤祐子師範。没頭こそが生きがい。没入こそが本懐。書道、ヨガを経て、タンゴを愛する情熱の師範。柔らかくて動じない受容力の編集ファンタジスタでもある。レコードプレイヤーを購入し、SP盤沼にダイブ中。
前期、「元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた」が遊刊エディストに連載され大きな話題になった。 元・師範代の母が中学生の息子の編集稽古にじっと耳を澄ませてみた #01――かちゃかちゃ […]
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2025-09-16
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2025-09-09
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