エノキの葉をこしゃこしゃかじって育つふやふやの水まんじゅう。
見つけたとたんにぴきぴき胸がいたみ、さわってみるとぎゅらぎゅら時空がゆらぎ、持ち帰って育ててみたら、あとの人生がぐるりごろりうごめき始める。

小さな子どもが泣きながら走ってくる。
手には大きな買い物袋。
迎えるお母さんお父さんも泣いている。
「ただいまー、買ってきたよお~!!」
『はじめてのおつかい』は、いつ見ても泣ける。幼児が、ある日突然、1人でおつかいに行ってくるように言われ、「えっ?ひとりで?」ととまどい、こわごわ、しぶしぶ出かける。お店までの行き方はわかっているはずなのだが、バスで居眠りして乗り過ごす、通り道にこわい犬がいる。お店についたけど人がいない、何て呼べばいいのか、もじもじ…、やけくそで叫ぶ、思ったより荷物が大きい、つかれた、転んだ、帰りのバス乗り場がわからない、なんども同じところをうろうろ…、幾多の困難を乗り越えて、やっと家に帰りつく。
お母さん、お父さんからの「ありがとう!たすかった!よく行って来てくれた!」の絶賛。安堵と誇らしい気持ちで、夕飯の食卓を囲む。
おおかた、こんな感じだとわかっていても、毎度見てはもらい泣きしてしまう。
日テレの人気番組で、かれこれ30年もつづいている。この春からNETFLIXで配信し、世界190以上の国と地域の人が見ているそうだ。「かわいくて死にそう!」とか「日本はこんな小さな子を1人で歩かせるのか?」とか反響があるらしい。各国のニュース等でも取り上げられたとか。子どものはじめてのおつかい、それだけのことがなぜこんなにも心を打つのか。なぜ、何度も見たくなるのか。なぜ外国の人も面白いと思うのか。
イシス編集学校[破]で物語編集術を学んだ人は、知っている。これは英雄伝説の型だから、それも王道だからなのだ。松岡正剛校長の言葉を借りれば、物語というものがもつ共生的な同質性と横断的な異質性が発現しているからといえる。
この物語編集術を体験できるエディットツアーを開催する。
[破]に進むつもり、進むかどうか迷っている[守]学衆、まだ入門していないけれど物語に関心ある方、どなたでも大歓迎。ナビゲーターは、[破]番匠:野嶋真帆・福田容子、[破]師範をへて[遊]物語講座師範代をつとめた植田フサ子の3人だ。長年、物語指南に腕をふるってきた3人のナビで、あなたもすぐに物語ってしまうにちがいない。
物語の型は、「はじめてのおつかい」はもちろん、ハリウッド映画やプロジェクトXみたいなドキュメンタリーにも、少年マンガやCMにも潜んでいる。世の中の見え方が変わる編集術をぜひ体験してほしい。
お申込みは、こちらから!
【破 エディットツアー】2022年8月14日 オンライン開催
物語には「型」があります。
この日は特別に、編集学校が初めての方でも、通常は応用コース[破]で学ぶ「物語編集術」を体験できる機会です。
お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。
日時: 8月14日(日)15:00-16:30
場所: オンライン
対象: イシス編集学校が初めての方でも、どなたでも参加可能
参加費:1100円(税込)
ナビゲーター: イシス編集学校 応用コース[破] 野嶋真帆 番匠、福田容子 番匠、[物語講座] 植田フサ子 師範代
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
【破 エディットツアーオンラインスペシャル8月23日】イシスな文体編集術を先取り
文章を書くのが得意です! と胸を張って言える人は少ないと思う。得意ではない、むしろ苦手だ。でも、もしかして少しでも上手く書けたら、愉しいのではないか…、そんな希望をもって[破]を受講する方が多い。 [破]は […]
『ミッションインポッシブル』を翻案せよ!【54破】アリスとテレス賞物語編集術エントリー
全国的に猛暑にみまわれるなか、54[破]はアリスとテレス賞物語編集術エントリーの一日であった。この日、55[守]では佐藤優さんの特別講義があり、43期花伝所は演習の最終日であった。各講座の山場が重なるなか、54[破]学 […]
東京の大岡山エリアといえば、東京科学大学(旧・東京工業大学)のある学園都市。にもかかわず、なんと書店がなかったという。そこにできたのが青熊書店だ。 青熊書店は、2025年3月15日に、自由が丘から移転して、 […]
源内さんとハン・ガンが人気【54破】第1回アリスとテレス賞エントリー
「5W1H」という基本の基本ではじまった[破]の稽古。1か月後にはアワードに向けて文章を何度も推敲し、磨き上げるまでに熱を帯びる。本日5月11日、54[破]第1回アリスとテレス賞のエントリーが締め切られた。セイゴオ知文 […]
【54破開講】うどん、タトゥー、ちぐはぐ…カオスの縁から創発せよ!
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コメント
1~3件/3件
2025-08-19
エノキの葉をこしゃこしゃかじって育つふやふやの水まんじゅう。
見つけたとたんにぴきぴき胸がいたみ、さわってみるとぎゅらぎゅら時空がゆらぎ、持ち帰って育ててみたら、あとの人生がぐるりごろりうごめき始める。
2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。
2025-08-14
戦争を語るのはたしかにムズイ。LEGEND50の作家では、水木しげる、松本零士、かわぐちかいじ、安彦良和などが戦争をガッツリ語った作品を描いていた。
しかしマンガならではのやり方で、意外な角度から戦争を語った作品がある。
いしいひさいち『鏡の国の戦争』
戦争マンガの最極北にして最高峰。しかもそれがギャグマンガなのである。いしいひさいち恐るべし。