自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
第81回感門之盟「律走エディトリアリティ」で、記念すべき50[守]を終えた師範代20名に「先達文庫」が授与された。編集学校では一期を全うした師範代に、松岡正剛校長が自ら本を選んで贈る。師範が師範代をねぎらう感門表を授与し、先達文庫を託された鈴木康代学匠が、師範代を称えながら一冊一冊手渡していく。後半10名に贈呈された先達文庫は以下の通り。
◆森川絢子師範代(代々ビオトープ教室)
『山のパンセ』(串田孫一/ヤマケイ文庫)
◆黒田領太師範代(ミネルバ・ロードス教室)
『現代という時代の気質』(エリック ホッファー (著), 柄谷 行人 (翻訳) /ちくま学芸文庫)
◆林愛師範代(みちのく吉里吉里教室)
『江戸の想像力―18世紀のメディアと表徴』(田中優子/ちくま学芸文庫)
◆山下雅弘師範代(外骨ジャーナル教室)
『全国アホ・バカ分布考』(松本修/新潮文庫)
◆稲森久純師範代(釣果そうか!教室)
『私の百人一首』(白洲正子/新潮文庫)
◆仁禮洋子師範代(悠阿弥アメリ教室)
『子どものための文化史』(ヴァルター ベンヤミン/平凡社)
◆大塚剛史師範代(ここいら普門教室)
『宇宙のランデヴー』(ア−サ−・C.クラ−ク/早川書房)
◆田中志歩師範代(50gエンシオス教室)
『昨日』(アゴタ・クリストフ/早川書房)
◆三浦一郎師範代(参画さしかかる教室)
『未来からの手紙』(カレル・チャペック/平凡社)
◆高本沙耶師範代(とれもろドローン教室)
『歩道橋の魔術師』(呉明益、 天野健太郎/河出文庫)
ご卒門された皆様、おめでとうございました。
◇前半の部:50[守]先達文庫(前半)第81回感門之盟
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい)」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら […]
コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。