自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
”ハイパー”が生まれ変わる。
15年続いたハイパーコーポレートユニバーシティ[AIDA]は、4月の15期最終講をもって一区切りを迎えた。2020年からHyper-Editing Platform [AIDA]として立ち上がり「次世代リーダーのための学びの場」のみに留まらず「知のプラットフォーム」として社会で機能することを目指していく。
塾長は座長として立つ。AIDAボードメンバーには各界の有識者を講師陣として迎え、新たなロール「間匠」も誕生。イシス編集学校の師範・師範代も様々な形でプロジェクトに関わることとなる。
8月20日にキックオフミーティングが行われ、オールスタッフが顔を揃えた。新生[AIDA]を引っ張っていく主要メンバーを10shotでお届けします。
●全体統括:安藤昭子

「編集工学を全面化し、編集によって世界を見ることはAIDAのカマエとして絶必」これまでの変遷とここからの構想をメンバーに発表する全体統括 安藤昭子。
●間組統括:吉村堅樹

「方法と世界知をどう重ねていくか一緒に考えていきたい」学びのプログラムを進める指導陣・間組(あいだぐみ)を率いる吉村林頭。編集学校の先鋭もAIDA師範代としてイシス式方法知を注いでいく。
●間匠:奥本英宏、福元邦雄


師範的ポジションの幹事を任されている頼もしき”ふたもと”の紳士。この度「間匠(ましょう)」というどこにもない新たなアブダクティブロールを掲げて、座を引き上げる。
●テクニカルディレクター:小森康仁

「リアルとオンラインのソーシャルディスタンスをどう縮めていくか」オン・オフラインの間を繋ぐハイブリッドなメディエーション、最高のリモートシステムに挑むテクニカルチームを率いる小森康仁。
●マネジメント・司会:佐々木千佳

「兼ねてから松岡座長とみなさんが仕事をする現場をできるだけたくさん作りたいと思ってきた。編集学校のみなさんも混ぜて今回AIDAが立ち上がったことに20周年の節目の意味も感じる」毎期司会を務め、誰よりも長くハイパーに関わってきた佐々木千佳局長。
●メディアチームリーダー:橋本英人

コンテンツのメディア化も[AIDA]の新しいチャレンジとなる。「問いがここから生まれ、蓄積されて、ハイパーリンク状態となり社会に還元していくようなメディアを目指していきたい」8月に編集工学研究所から出版された『探求型読書』(クロスメディア・パブリッシング)の執筆も担当した橋本英人。
●座長:松岡正剛

「これまでたくさんの著書を書こうと、編集学校の校長になろうと、大学の教授になろうと、自分の中のソーシャルディスタンスを作ってきた。本を書くときに一番みんなが届かないところから書きたくて『ルナティックス』『フラジャイル』『花鳥風月の科学』『外は、良寛。』など出してきた」

僕は簡単に社会化できない、メディアにならない、シンボルにならないと一定の距離を保ってきたが、僕自身の中で近づいてくる足音を感じ始めた。インターネット、SNSの登場で何かが遅ればせになる前に社会化を図り、出したのが『インタースコア』。編集的社会像をもう少し出そう、いろんな人と組み合わさってやろう。その際全部アイダだけをとっていこうと始まったのがハイパーであった。

「座長としてみんながどこまでやるかにディペンドしたい」
座長からハイパーのこれまでとここからを受け、メンバーはそれぞれのロールで静かに気持ちをたぎらせていく。
Hyper-Editing Platform [AIDA]は10月開講を迎える。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。