『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
かさねて、あわせて、きめる。
着物にまつわる仕草はことごとく、[守]で遊ぶ編集的方法だ。
システムエンジニアにして着物エディターである
イシス編集学校師範の森山智子が、
和装に忍んだシステム編集をひもとく。
着物はオートクチュールのドレスとは全く違い、コーディネイトがすべてを語ります。ですから、要素のひとつである小物をおろそかにするなんてあり得ません。小物にはすべて機能があるため、小物なしでは着物が成り立たないのです。着付け面での機能を果たしながら、同時に装飾面での機能も問われる。その中でも私が特に、一番に気になっていて、こだわっているのは? ――帯揚げ。
初めに、位置についておさらいしましょう。その名の通り、背中のお太鼓をかつぎ揚げ、支えるという機能を担って、背中から脇を通り、ちょうど胸がドキドキするあたりで結ばれます。最近の着付けでは、背中の帯の結び目(ねじり目)を支えながらお太鼓を揚げているのは、お太鼓枕とそれについている紐なのですが、帯揚げはちょっと色気のない枕や紐を優雅につつんでくれます。
着付けによっては、帯の中に帯揚げをぎゅうぎゅう仕舞い込んでしまうことがあります。確かに、見える要素が一つなくなることで、そのぶん組み合わせの数も少なくなり、考える対象も減らせます。楽にはなるかもしれませんが、同時に楽しみも広がりも奪ってしまうような気がします。帯揚げは、適度に見えるようにするのがいい。脇を固めて、胸に収まる。帯揚げは、狙うイメージに向かうための方向舵なのです。
続きはまた。
◆要素・機能・属性【ようそ・きのう・ぞくせい】
編集的世界観では、森羅万象がシステムとなる。
全てのシステムには、要素・機能・属性が備わっている。
シンプルな構造に見えるコップでも、
口のあたる縁の部分なのか、手で握る胴の部分なのか、
どの「要素」かによって、その厚みや硬度といった
「属性」は微妙に変化していく。
つまりコップもまた、立派なシステムと見なせるのだ。
では、コップの「機能」とは?
それをありったけ並べるお題が、
イシス編集道の劈頭を飾っている。
森山智子(もりやまともこ)
編集的先達:和泉式部。SE時代にシステムと着物は似ていることに気づき開眼。迷彩柄の帯にブーツを合わせる、洋服生地を帯に仕立てる等、大胆な着こなしをはんなり決める。イシスにも森山ファンは数多い。
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コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。