何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

「編集学校のウチソトを自在にまたぐ編集力」。2019年9月7日、第70回感門之盟の「CAST師範ジャンクション」のコーナーで、鈴木康代[守]学匠はISIS FESTAへの想いを語った。
もともとは仙台と福島のみのエディットツアーを想定していた。その鈴木を焚き付けたのは吉村堅樹林頭の一言だ。「それなら、全国でパァッとツアーを打ち上げませんか?」。6月1日の深夜2時、[守]伝習座後のことだった。
ここからが高速だった。大阪には山根尚子師範がいる。札幌には岩野範昭師範、広島には浦澤美穂師範、福岡には石井梨香師範がいる。鈴木が訊ねると全員から快諾の返事がきた。即答だった。さらに金沢、東京の豪徳寺と三軒茶屋、名古屋、沖縄の師範陣からも協力を得て、数日後には3日間にわたる全国12か所でのツアーが決定していた。
とはいえ全て順調だったわけではない。鈴木を含め、各地の師範の多くがリアルツアー経験がなかった。当然、学林局スタッフだけでは人手が足らない。そこで立ち上がったのが実香連をはじめとするツアー経験者である。福島には池澤祐子師範、広島には桂大介師範、沖縄には上杉公志師範代が手を挙げ、これで準備は整った。
各地で打ち上がったツアーの景色を鈴木は振り返る。「たとえば福島の『さすけねぇ』に似た方言が沖縄にもある。『なんくるないさ』。別々の地域がやわらかく繋がっていく。こうした対角線を次々に結んでいくことで、イシスの群島的な姿が浮かび上がってきた」。
2020年2月の第二回エディットツアースペシャルに向けた準備もすでに始まっている。感門之盟翌日の[守]師範会議では、[破]や花伝所のボードメンバーとも連携し、青森や熊本をはじめとする開催都市の追加が決まった。
千夜千冊の1717夜『ライティング・スペース』の一節を援用しつつ、鈴木は今後の意気込みを語る。「すぐれてノーマッドでリゾームなもの、多分に創発的で相互触発的なもの、かつ複合ネットワーク的でベンチャー的なもの。そこを目指したい」。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
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