百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。

43[花]はちょっと違った。ちょっと? いやいや、だいぶだ。来たる56[守]新師範代として20人を超える放伝生が名乗りを上げたのだから、そのぶっちぎりっぷりが想像できるだろう。こんな期はそうそうない。演習を行う道場でのスコアのみならず、道場とは別ラウンジの「編集術ラボ」での発言スコアも、ここ数期に比べ群を抜いていた。過去形や期待どまりではない。敢談儀後から冠界式(教室名発表)までの威勢のよい真夏の花トレ(自主トレーニング)模様をレポートする。
2日(土)の敢談儀後は、師範代登板に向けてのツールの相談や気持ち編集などで盛り上がる。
9日(土)に花トレ会場がオープンすると、入伝式後の道場オープンの時のように西岡有美が真っ先に登場する。続いて、後藤有一郎、板垣美玲、翠川辰行、小名国仁、中田ちひろが指南計画をアップ。上々の滑り出しだ。
最初の自主トレ指南をラウンジに投じたのは板垣。001番を指南する。後藤は待ってましたと言わんばかりに、11日(月)のうちに、001~010番の稽古ポイントをアップした。高橋剣も続く。互いに触発し合うのが43[花]放伝生のダントツだ。
8月12日。松岡正剛校長の命日であるこの日、花伝所初の試みとなるお題共読会を開催。放伝生と[守][花]の師範陣あわせて30名が参加し、お題の奥深さと面白さに時を忘れ交わし合った。
第2週からコンスタントに指南自主トレを続けていた木佐陽は、本番さながらの1日4指南に挑戦。
18日(月)。花トレ恒例の「オンライン速書き指南ワーク」開催。参加者は、過去最大の20名。ラウンジでの発言数も1日(2時間)で168を記録した。
23日(土)の花伝エディットツアーでは、木島智子、杜本昌泰、三尾夏生、板垣、高橋剣の5名の放伝生がテーブルコーチとして参加。花伝所での体験を参加者へ語る姿はすっかり師範代だ。
最終週になっても花トレラウンジは勢いを止めない。
仕事で国内外を飛び回る永石あゆみは、深夜に出題練習&稽古ポイントを連打、グッビニ由香理は朝一番にお題研究を投稿する。机に座るより生活の合間時間で指南する方が、頭やわらかく言葉が湧き出てくる感じがすると言ったのは西岡だ。
速書きワークの成果も感じつつ虫の目、鳥の目を使い対話の視点を広げるのは原田遥夏。家村吏慧子は最終日までに38番全ての稽古ポイントを作成した。岩崎大はカルテット、後藤はクインテット指南(まとめ指南)に挑戦した。
まだまだなり響く投稿音。中野恵介はコロナに罹患しても指南することをやめなかった。
9月2日(火)、最後のお題共読会。23時過ぎに終了すると即、後藤、杜本、中田からフィードバックが届く。
「そもそも編集自体が自由へ向かうもの」(中田)
新師範代たちは6日の教室名発表を待つ。
■43[花]放伝生が師範代登板する56[守]はこちら。
第56期[守]基本コース
【稽古期間】2025年10月27日(月)~2026年2月8日(日)
申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/syu)から。
■20名を超える師範代を出した[ISIS花伝所]編集コーチ養成コースはこちら。
第44期[ISIS花伝所]編集コーチ養成コース
【ガイダンス】2025年10月5日(日)
【入伝式】2025年10月25日(土)
【開始日】2025年10月25日(土)
【稽古期間】2025年10月26日(日)〜2025年12月21日(日)
申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/kaden)から。
【第43期[ISIS花伝所]関連記事】
●43[花]習いながら私から出る-花伝所が見た「あやかり編集力」-(179回伝習座)
●『つかふ 使用論ノート』×3×REVIEWS ~43[花]SPECIAL~
●43[花]特別講義からの描出。他者と場がエディティング・モデルを揺さぶる
●43[花]編集術ラボ◎AI探花〈A面〉――関係の中でひらく
●<速報>43[花]花伝敢談儀:千夜千冊エディション『少年の憂鬱』の図解レポート
●43[花]「つもり」のままその先へ【花伝敢談儀─ようそこ先輩─】
●真夏の編集筋トレ――43[花]師範代登板準備レポート
大濱朋子
編集的先達:パウル・クレー。ゴッホに憧れ南の沖縄へ。特別支援学校、工業高校、小中併置校など5つの異校種を渡り歩いた石垣島の美術教師。ZOOMでは、いつも車の中か黒板の前で現れる。離島の風が似合う白墨&鉛筆アーティスト。
海と山の間から太鼓の音が聞こえてきた。 ここは、沖縄県のさらに南の離島のそのまた外れのとある中学校。校舎からは綺麗な湾が見渡せ、グラウンドには孔雀や猪の住む山が差し迫る。全校生徒は23名。夏の終わりに行 […]
うつらうつらしていると、何かが聞こえてきた。あたたかな音。ああ、雨だ。長男は小さな頃、「雨の音をききながらねるのがすき」と言って丸くなっていた。その姿に、幼かった彼はお腹の中にいることを思い出しているのかなと、愛おしく […]
世界は書物で、記憶を想起するための仕掛けが埋め込められている。プラトンは「想起とは頭の中に書かれた絵を見ること」と喝破した。松岡正剛校長は「脳とか意味って、もっともっとおぼつかないものなのだ。だから『つなぎとめておく』 […]
52[守]師範代として、師範代登板記『石垣の狭間から』を連載していた大濱朋子。今夏16[離]を終え、あらためて石垣島というトポスが抱える歴史や風土、住まいや生活、祭祀や芸能、日常や社会の出来事を、編集的視点で、“石垣の隙 […]
虹だ。よく見ると二重の虹だった。見ようと思えば、虹は何重にもなっているのかもしれない。そんなことを思っていると、ふいに虹の袂へ行きたくなった。そこで開かれる市庭が見たい。 そこでは、“編集の贈り物”が交わされていると […]
コメント
1~3件/3件
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)