ハンノキの葉のうえで、総身を白い菌に侵されて命を終えていたキハダケンモンの幼虫。見なかったことにしてしまいたくなるこんな存在も、アングルを変えてレンズを向けてみると、メルヘン世界の住人に様変わりする。
<多読ジム>season12・秋(2022年10月10日〜)のラインナップが決定しました。
<1>エディション読み:『読書の裏側』最新刊!
<2>ブッククエスト :48[守]47[破]師範代に贈られた『先達文庫』
<3>三冊筋プレス :2022年の3冊
まず「エディション読み」は、『読書の裏側』。
本書は千夜千冊エディションの最新刊であり、多読ジムのために編まれた一冊と言っても過言ではない、多読ジムで読むべき一冊です。
なぜ「多読ジムで読むべき」なのか、どんなところが「多読ジムのため」なのか。
巻末《追伸》の「読書で「具合」を愉しむ」の冒頭を読んでみることにいたしましょう。
本を読むことは誰にもできる。「歩く」「服を着る」「喋る」などと同様、難しいことではなさそうだ。実際にも母国語の読み書きができれば、だいたいの本に目を通せるだろう。けれども、「歩き」に能の摺足やファッションモデルのウォーキングやスポーツの競歩があるように、「喋り」にアナウンサーや役者の苦労やスピーチの出来不出来があるように、「読み」に伴う技芸感覚はけっこう幅も広く、奥行もあり、その知覚回路は複雑である。
ところがそういう指南をあれこれしてくれるはずの読書術というもの、いっこうに充実してこなかった。
どうして読書には「歩き」のように、能の摺足やファッションモデルのウォーキングやスポーツの競歩のようなレパートリーやモデルがないのか。言われてみれば、「確かに!」と思いませんか。
そして、どうして「そういう指南をあれこれしてくれるはずの読書術というもの、いっこうに充実してこなかった」のか。
実はこの問いこそが、多読ジムの原初の与件でした。その「ないもの」に着目して、「よ・も・が・せ・わ・ほ・り」して誕生したのが、多読ジムなのでした。
ふりかえって、ぼくは読書を通して三つの愉快を満喫してきた。ひとつ、書き手とともに世界の見え方を遊んだ。いわば相転移(phase transition)を愉しむのだ。いずれ「読相術」としてまとめられるだろう。
この「読相術」という造語も、多読ジムの開発や充実のために校長が用意してくれた講義が、最初の登場だったのではないかと思います。
多読ジム誕生に立ち会った当事者としては、『読書の裏側』はそのまま「多読ジムの裏側」を写(映)しているようでもあって、感慨深いものがあります。私(たち)が「多読ジムのために編まれた一冊」と思えるのも、そんな開発中の「轍(わだち)のあと」があったからなのでしょう。
とはいえ、多読ジムはまだまだ開発中です。季が変わるごとにどんどん変わっています。余地や遊びもいっぱいあります。
読書は「具合」なのである。その具合は相手次第だ。二、三人に付き合っただけで引っ込んでしまってはいけません。ぼくはそこをあえて「読書は交際である」と言ってきた。交際には裏側もある。
ここ、ここ、めちゃくちゃポイントです。「読書は交際である」は「読相術」のレクチャーでも校長が最も強調していたことでした。多読ジムを受講するとそのことがよりよく実感できるはずです。
それから、「読書は「具合」なのである」。それを言うなら、多読ジムこそ「具合」であるとも言いたくなってきます。共読するメンバー次第でその読感を一味も二味も違ってきます。それは良し悪しというよりも、多読ジムではその「具合」が愉しめるしくみになっているのです。
◉ ◉ ◉
さて、『読書の裏側』に感化されて、ついつい熱弁を奮ってしまいましたが、お次のブッククエストは「48[守]47[破]師範代に贈られた『先達文庫』」。『先達文庫』のブッククエストは多読ジムでは恒例の企画となっています。その次、三冊筋プレスの「20XX年の3冊」も年末の多読ジムの定番の企画となってきました。
「2022年の3冊」、皆さんなら何を選びますか。
2022年の印象的な出来事といえば、パッと思い浮かぶのはやはりロシアのウクライナ侵攻、それから安倍元首相の銃撃事件でしょうか。まだまだコロナが気になるという方もたくさんいることでしょう。
「ウクライナ読み」といえば、先日の「情報の歴史を読む」イベントで佐藤優さんが推薦本リストを公開していたので、こちらを参照するのもいいでしょう。
https://edist.isis.ne.jp/just/satoumasaru_booklist/
時事ニュース一辺倒では選書が似たり寄ったりになってしまうかもしれないので、すこし見方を変えてみるのも面白いかもしれません。
例えば、漫画好きなら「4年ぶりちびまる子ちゃん最新巻発売」とか「ベルセルク連載再開」を取り上げてもいいし、豊崎由美さんやISIS BOOK REVIEWに倣って芥川賞・直木賞にチャレンジしてもいい、リスペクトする三宅一生さんや森英恵さんを偲び悼むとか、思いっきり自分の身の回りにターゲットを絞って結婚や出産、その反対に別離を取り上げたっていいわけです。あるいは積読を消化したり、今年読んだ本の自己ベストの三冊を再読するのもアリ。
なんてったって、「読書は自由気儘なものである」(by Seigow)。
ちびまる子ちゃん 18|集英社 ― SHUEISHA ―
どんな三冊セットが勢揃いするのか、今から楽しみでなりません。本まみれの読書の秋を過ごしてみませんか(思い立ったら今、読機(ドッキ)を逃さないのが多読の秘訣です!)。
Info
◉多読ジム season12・秋◉
∈START
2022年10月10日(月)〜2022年12月25日
※申込締切日は2022年10月4日(月)
∈MENU
<1>エディション読み:『読書の裏側』最新刊!
<2>ブッククエスト :48[守]47[破]師範代に贈られた『先達文庫』
<3>三冊筋プレス :2022年の3冊
★出版社コラボ:春秋社
∈URL
https://es.isis.ne.jp/gym
∈DESIGN the eye-catching image
富田七海
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:夢野久作
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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2026-02-10
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2026-02-05
誰にでも必ず訪れる最期の日。
それが、どのような形で訪れるかはわからないが、一番ありえそうなパターンの一つが終末介護病棟での最期じゃないだろうか。沖田×華先生と言えば、自虐ネタのエッセイマンガでよく知られるが、物語作家としても超一流だった。深く死に向き合いたい方は、是非ご一読を。
(沖田×華『お別れホスピタル』)
2026-02-03
鋸鍬形、犀兜、鰹象虫、乳母玉虫、碁石蜆、姫蛇の目、漣雀、星枯葉、舞妓虎蛾、雛鯱、韋駄天茶立、鶏冠軍配、鶉亀虫。見立ては、得体の知れないものたちを、手近に引き寄せたり、風雅に遊ばせることの糸口にもなる。