本は最初から最後まで読むもの? 必ずしもそうではありません。本はひとりで読むもの? これもそうとは限りません。読書はもっと自由で多様です。本はどこで読んだって、どこから読んだっていい。
松岡正剛いわく《読書はコラボレーション》。読書は著者との対話でもあり、読み手同士で読みを重ねあってもいい。
そこで、相互編集&つまみ読みを軸にした新しい書評スタイル――1冊の本を3分割し、3人それぞれで読み解く「3× REVIEWS」を用意しました。最近上梓され、たちまち増刷された、安藤昭子(編集工学研究所 代表取締役社長)による話題の書『問いの編集力』(ディスカヴァートゥエンティワン)を、チーム渦の3人の分担書評で紹介します。
■1 「問い」が気づかせる“私の可能性”
第1章 「問い」の土壌をほぐす:Loosening
第2章 「問い」のタネを集める:Remixing
なぜ「問い」を問わねばならないのか。この大きな問いに対し、「3×REVIEWS」トップバッターの吉居は、「問う主体である私」をメタフォリカルに語り直す。
■2 「観の目」で本から問いを呼び込む
第3章 「問い」を発芽させる:Emerging
吉居は問いの正体を「動く私を自覚する」ことだと見た。ではどう見るか。2番手の柳瀬はこれを受け、「観の目」を持ち込む。
「問い」は、物事とわたしの「間」を観る力だ。(柳瀬浩之)
■3 私たちは「問う人」であった
第4章 「問い」が結像する:Discovering
第5章 「内発する問い」が世界を動かす
「観の目」は、眼鏡でもあり、ナイフでもある、と3番手の角山は捉えた。では世界を変える「問い」の使い方とは?
「問い」は私たちを“人”にする。(角山祥道)
『問いの編集力 思考の「はじまり」を探究する』
安藤昭子著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2024年9月20日発行/2090円
■目次
はじめに なぜ「問い」を「問う」のか
第1章 「問い」の土壌をほぐす:Loosening
第2章 「問い」のタネを集める:Remixing
第3章 「問い」を発芽させる:Emerging
第4章 「問い」が結像する:Discovering
第5章 「内発する問い」が世界を動かす
おわりに 「問う人」として
■著者Profile
あんどう・あきこ/編集工学研究所代表取締役社長、[AIDA]プロデューサー。出版社時代にイシス編集学校に入門。守破離のコースを経て2010年編集工学研究所に入社。2021年より同社社長。企業・学校・地域など編集工学を多岐にわたる領域に実装・提供する。著書に『才能をひらく編集工学』、『探究型読書』。
「問う」ことは、これまでの一様の世界を多様にする。いいかえれば「世界の数だけ、わたしがいる/わたしの数だけ、世界がある」ということだ。
10月28日に開講する、イシス編集学校の入門コース[守]では、「たくさんのわたし」という編集稽古を体験する。「問い」の数だけ世界が拡張する感覚、「たくさんのわたし」から世界を見る体験を味わってみてはいかがだろうか。
◆イシス編集学校 第54期[守]基本コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
エディストチーム渦edist-uzu
編集的先達:紀貫之。2023年初頭に立ち上がった少数精鋭のエディティングチーム。記事をとっかかりに渦中に身を投じ、イシスと社会とを繋げてウズウズにする。[チーム渦]の作業室の壁には「渦潮の底より光生れ来る」と掲げている。
[守]の教室から聞こえてくる「声」がある。家庭の中には稽古から漏れ出してくる「音」がある。微かな声と音に耳を澄ませるのは、今秋開講したイシス編集学校の基本コース[守]に、10代の息子を送り込んだ「元師範代の母」だ。 […]
それはひょんな思いつきだった。小学生の息子の付き添いでけん玉大会に遠征するのなら、観客ではなく選手になってみたらどうか。辻志穂さんの思いつきは、辻さん自身を大きく動かしていく。 イシスの学びは渦をおこし浪の […]
遊刊エディストと社会の境界で、日々うずうずと編集を続けるチーム渦。新たに、前期53[守]空耳ラブレター教室の師範代・山口奈那をメンバーとして迎え入れた。 その山口が、最初に手掛けるのは、54[守]創守座ルポ。創守座と […]
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