ついに田中優子師範代の教室名発表!―55[守]新教室名【86感門】

2025/03/15(土)22:33
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2000年の開校以来、生まれた教室名は1000以上。どれひとつ同じ教室名はない。これほど多様な教室名のある学校が他にあるだろうか。

 

3月15日に行われた第86回感門之盟の冠界式、5月に開講する第55期[守]基本コースに登板する新師範代18名の教室名が発表された。18名のなかにはあの田中優子師範代の姿も。緊張した面持ちで舞台に立つ新師範代たちの胸の鼓動を想像しながら、生まれたてほやほやの教室名をご覧あれ!

 

 

◆加藤則江師範代「カエル・スイッチ教室」

 

 

◆田中志穂師範代「山派レオモード教室」(やまはれおもーど)

 

 

◆石田利枝子師範代「斜線オテンバ教室」(しゃせんおてんば)

 

 

◆長池直之師範代「連環フィリア教室」(れんかんふぃりあ)

 

 

◆渋江徹師範代「かけはしヒコーキ教室」

 


◆加藤万季師範代「インプロ宝珠教室」(いんぷろほうじゅ)

 


◆菅井明子師範代「ゴリ夢中教室」(ごりむちゅう)

 

 

◆島陽子師範代「あらまたユクスキュル教室」

 

 

◆石塚智美師範代「たまさかドリトル教室」

 

 

◆松山香織師範代「類想ゼスト教室」(るいそうぜすと)

 

 

◆佐藤賢師範代「抜力一の糸教室」(ばつりょくいちのいと)

 

 

◆山下雅弘師範代「百禁タイムズ教室」(ひゃっきんたいむず)

 

 

◆田中志歩師範代「異遊トラベルソ教室」(いゆうとらべるそ)

 

 

◆辻志穂師範代「ヤキノリ微塵教室」(やきのりみじん)

 

 

◆安田奈穂子師範代「手包みソヴァージュ教室」(てつづみそばーじゅ)

 

 

◆稲森久純師範代「マグロワンダフル教室」

 

 

◆藤井一史師範代「うたしろ律走教室」(うたしろりっそう)

 

 

◆田中優子師範代「酒上夕魚斎教室」(さけのうえのゆうぎょさい)

「ラストは田中優子師範代です」コーナーの進行をつとめる古谷奈々師範の言葉に、本楼がどよめいた。花伝敢談儀での「わたし、迷っています」発言のあとすぐに師範代登板を決意し、優子先生でも優子学長でもなく「優子師範代」にロールを着替えての登場だ。本棚劇場にあがった優子師範代は意外なことをつぶやいた。「生涯で一番緊張しています。」またしても本楼がざわつく。そしてドラムロールがわりに生演奏で盛り上げるべく登場したフラメンコギタリストの西宮牧人師範代の演奏のあと、モニターに教室名が映し出された。

 

教室名を聞いて優子師範代の表情が緩む。「江戸時代の素晴らしい作家で狂名が酒上不埒という人がいるんですよ。私はこの名前が大好きで、私も酒飲みなのでちょうどいいなと。夕魚は私の俳号です。大好きな名前を両方使ってもらって嬉しい。」喜ぶ優子師範代だったが、すぐに「でも…」と続けた。ひとつ前に登壇した藤井師範代が、発表された教室名のことを雄弁に語るや「いま言ったことは全部捨ててください。自分が考えたことじゃなくゼロからコンパイルして新しい教室を組み立ててくださいね」と角山師範から愛のムチを受けていたことが頭をよぎったようだ。「嬉しいけれど、さっき角山師範がおっしゃったように、全部捨てます。」どっと笑いが起こり、前代未聞の学長&師範代のデュアルロールで[守]の海へと漕ぎ出す優子師範代の船出に大きな拍手が送られた。

 

■師範代代表メッセージ「つぎつぎと、今まで知らなかった自分に出会える」

最後に18名の新師範代を代表して、加藤万季師範代がマイクを持った。普段はデザイナーで絵描きでもある加藤師範代は、絵のことで悩んでいたときに方法的なヒントを求めてイシス編集学校に入門したという。基本コース[守]の稽古がはじまって加藤さんを待っていたのは、教室の師範代から指南で手渡された意外な言葉だった。そして自身もお題に回答する際、それまで一度も考えたことのないメタファーを思いついたりもした。「自分でも知らないわたしを引き出された気がして、その経験が宝物に思えたんです。宝物を抱えたまま、もっともっとという気持ちで[破]に進み[花伝所]にも進みました。つぎつぎと、今まで知らなかった自分に出会えることが私にとってイシス編集学校の一番の魅力です」

 

知らなかった自分に出会い、思いもよらない可能性が引き出されていくことの愉しさを知った師範代たち。その実感があるからこそ、師範代は学衆の秘めた可能性を引き出そうと夢中になる。そんなふうに大の大人が夢中になる教室が愉しくないわけがないのだが、この続きはぜひ55[守]に飛び込んで、それぞれの教室で「方法の冒険」の愉快を味わってほしい。


第55期[守]基本コース

【受講期間】 2025年5月12日(月)~2025年8月24日(日)
【定員】   200名

【受講資格】 どなたでも
【申込〆切】 2025年4月27日(日)

▼コースの概要・お申し込みはこちらから

https://es.isis.ne.jp/course/syu

  • 福井千裕

    編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025