ハンノキの葉のうえで、総身を白い菌に侵されて命を終えていたキハダケンモンの幼虫。見なかったことにしてしまいたくなるこんな存在も、アングルを変えてレンズを向けてみると、メルヘン世界の住人に様変わりする。
昨日からの空模様は引き続き、豪徳寺を春雨で包む。桜もすっかり縮むような冷え込みだ。
だが本楼に集った、[遊]物語講座17綴を駆け抜けた叢衆と指導陣は、思いがけない寒さをも物語の部品として味わう編集力を持ち合わせている。績了を迎え、降り注ぐお題と格闘した日々を振り返りながら、言祝ぎと歓びを感話するひとときを一座建立した。
文学少女で国文学を専攻していた小濱有紀子創師は、叢衆として2綴を疾走した折に、イシスがさまざまな場面で伝えている「物語編集」の神髄が、この講座に詰まっていることに気づいたという。
いざ物語を綴るとなると、物語の5要素のうち、ついつい【ストーリー】ばかり注意のカーソルを向けがちだ。だが、お題と向き合うことを通じて【ワールドモデル】や【ナレーター】など、ストーリー以外の要素こそが、物語を物語たらしめることを発見していく。
物語の方法を学ぶことは、単なる「読み書き」を越えていく。仕事や家事、人間関係、地域や社会を、自分らしく「読み解き」「創る」方法へと発展していくのだと、小濱創師は語る。
創はつくること、そしてきずつくこと。創師という名を受け取ったとき、松岡校長は、これまで小濱に向けてきた表情と違い、めずらしく笑顔だったという。
「いい名前だろ」の声と、笑顔。その面影と「創」に込められた意味。それらを引き受け、責任と覚悟を持って物語講座のナカで伝えていきながら、ソトに持ち出していくたくらみをあたためる17綴だったと、胸中を伝えた。
物語を遊び続ける永遠の菫色少年・赤羽卓美綴師は、2008年の講座創成から17綴までの物語を、現代を象徴し続けるアイテムの歴史と重ねた。
iPhone17がリリースされる2025年、物語講座も17という綴を迎えることができた。世界に革命をもたらしたデバイスが進化し続けていく物語は、イシスでの物語講座のトランスフォームの様相と共通するという。
16、17[破]の指導陣が立ち上げたオペラプロジェクト。もっと物語を研究したいという与件から始まり、松岡校長のディレクションのもと『物語編集力』の出版を経て、[遊]物語講座の始動へと、つぎつぎとゆれ動くプロフィール。
誰もが親しんでいる物語を方法的にインプット・アウトプットするリテラシーを学ぶ。それを、自分のナカにあるものではなくソトからの刺激をトリガーとして物語る編集力を培うプログラムとして組み立ててきた。
そんな講座クロニクルをルーツエディティングすると、17綴の今、あらためて課題が見え隠れしたという。オペラプロジェクト再燃の野望もチラリと触れながら、今綴の旅路を共に走り抜けた仲間たちをねぎらった。
物語講座の本来を抱え、将来を見据える、創師と綴師。世界は物語で満ちていることを示すロールの二人によって、績了式の幕が開いた。
三國紹恵
編集的先達:ヴァーツラフ・ニジンスキー。聞かせます、エディット情話。大衆芸能と昭和歌謡を愛する唄女・つぐえは、学衆、師範代、師範のフラジャイルな逸話を紡ぎ続ける。伝えたいメッセージは「編集だよ、おっかさん!」。
48[守]の19教室では、113名の学衆が見事、門を出た。彼らは、なぜイシスの門を叩いたのか。[守]で何を得たのか。何がかわったのか。師範によるインタビューによって、学衆の「声」をお届けする第3回目。「姉妹対談」編をお […]
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師範代のハレの場である感門表授与には、涙がつきものだ。 コロナ禍での感門之盟も4回目ともなれば、[守]卒門式のZoom越しの感門表や卒門証の授与もまた、お馴染みのプロフィールになりつつある。とはいえ期毎に師範代も学衆 […]
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2026-02-10
ハンノキの葉のうえで、総身を白い菌に侵されて命を終えていたキハダケンモンの幼虫。見なかったことにしてしまいたくなるこんな存在も、アングルを変えてレンズを向けてみると、メルヘン世界の住人に様変わりする。
2026-02-05
誰にでも必ず訪れる最期の日。
それが、どのような形で訪れるかはわからないが、一番ありえそうなパターンの一つが終末介護病棟での最期じゃないだろうか。沖田×華先生と言えば、自虐ネタのエッセイマンガでよく知られるが、物語作家としても超一流だった。深く死に向き合いたい方は、是非ご一読を。
(沖田×華『お別れホスピタル』)
2026-02-03
鋸鍬形、犀兜、鰹象虫、乳母玉虫、碁石蜆、姫蛇の目、漣雀、星枯葉、舞妓虎蛾、雛鯱、韋駄天茶立、鶏冠軍配、鶉亀虫。見立ては、得体の知れないものたちを、手近に引き寄せたり、風雅に遊ばせることの糸口にもなる。