マンガにおける短詩系文学といえば四コママンガということになるだろう。四コママンガに革命をもたらした最重要人物の一人である相原コージは、そのものズバリ『漫歌』をものした。
「ミドルシニアのみなさんも遅いことはありません。ぜひチャレンジしてほしい」
この遊刊エディストに、四人の[守]師範たちがイシス編集学校を語るバナーが添えられている。ご覧になっただろうか?その中のひとり奥本英宏は、当時四十代半ばの企業経営者だった自分をこう振り返る。
「最近頭が固くなってきたかな。もう少し柔らかくしたい」
これがイシス編集学校の門をたたくきっかけとなった。
5月12日開講する55[守]講座に登板する師範代たちは、最後の指南トレーニングを終え、受講者(ここでは“学衆”と呼ぶ)みなさんを迎え入れるべく最終調整に入っている。『花伝所』にて師範代になるための七週間の険しい訓練をクリアし、ようやくここまでやってきた。さながらロケット打ち上げを待つ宇宙飛行士のようだ。そのなかで、今期、人生も師範代経験も豊かな三人が満を持して再登板する。
渋江徹(かけはしヒコーキ教室)は、トレーニングを終えた今の自分を何にたとえる?という問いに対し、「卵から生まれたばかりの海ガメの赤ちゃん。背中に学衆を全員のせて、竜宮城までお連れしたい」と、ピュアな姿勢を見せる。
山下雅弘(百禁タイムズ教室)の意気込みは、「師範代が学衆の庭にお邪魔していって指南をする、そういう気持ちをもって臨んでいきたい」。自身に引き寄せず、他者へのリスペクトを忘れない。
藤井一史(うたしろ律走教室)は、創守座を振り返るや、自身の振り返りだけでは覚束ないからと、仲間の師範代たちが綴った振り返りレポートを、編集の型を使って壮大な文量でまとめあげ再編集した。その作業を経て編集の手応えを感じたようだ。
なぜ二度目の師範代を務めるのか。
三者三様のちょっと謎めいた言葉やふるまいにもイシス編集学校の秘密が隠されている。“知”に分け入るほどに、既知の世界の狭さを知り、未知が果てなく広がっていく矛盾にぶちあたる。なお追いかけたくなる“知”がここにはある。世界読書奥義伝『離』をやりきった三人だからこそ初心に還り、謙虚さと愚直さをもって、新たな編集の冒険に挑みたくなる衝動に駆られる。
ミドルシニアの強みは、なんと言っても人生と社会経験の豊かさである。心のゆとりと包容力もある。ただ、“経験”という時間軸は、ともすると自分の既知の範囲内、価値観での思考にとどまりがちだ。
十代から八十代の幅広い世代、職歴もさまざまな受講者が集うイシス編集学校。ネット上の教室での相互編集によって、自身の既知も価値観も更新される“方法”がいっぱい詰まっている。思考が今以上に活性し、仕事にも暮らしにも活きてくる“方法”を手にすることができる。
「欲を言えば、もう少し早く入っていればよかった」
入門から十二年目の師範・奥本の心残りが静かにこだまする。今日も開講準備に余念がない三師範代。意気衝天な三様の背中を追いかけて、ミドルシニアのみなさん、かっこよく方法の宇宙へと飛び出してほしい。
ミドルシニアにとってイシス編集学校は、ずっと追い続けたい“青春”なのかもしれない。
アイキャッチ・文/若林牧子(55[守]師範)
◆イシス編集学校 第55期[守]基本コース まだ間に合う!募集中◆
日程:2025年5月12日(月)~2025年8月24日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
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コメント
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