「読む力」が人生を決める——佐藤優×吉村堅樹、読書と読解の本質に迫る

2025/07/01(火)18:53
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いま、私たちに本当に必要なのは「読む力」である。

作家・元外交官の佐藤優氏が動画の中で“読書の師匠”と呼んでいる人物がいます。それはイシス編集学校 学林局林頭、吉村堅樹。

 

今回公開された対談動画では、この2人が、現代社会における読解力の危機と、そこに対抗するための読書術「義疏(ぎしょ)」について語り合っています。

 

■ 読めなくなった現代人

動画の冒頭、佐藤氏は強い危機感を示します。

「いま、学生も、社会人も、全体として“読む力”が著しく落ちている」

その背景には、4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランス良く伸ばすという教育方針があるといいます。

一見よさそうに見えるこの方針が、実は最も根幹となる「読む力」の鍛錬を浅くしてしまった、と語ります。

 

■ 「読む力」こそがすべての基礎

佐藤氏は明言します。

「読んで理解できないことは、聞くことも、話すことも、書くこともできない」

つまり、読む力こそが、すべての知的活動の土台。仕事も、学びも、人生を切り拓く力も、すべてここにかかっているのです。

では、どうすればその力を取り戻せるのか。

 

■ 「義疏(ぎしょ)」という読書術

佐藤氏に促されて動画の中で吉村林頭が紹介したのが「義疏」。

松岡正剛がいう3A(アナロジー、アフォーダンス、アブダクション)。これを読書で生かして新たに名付けたものが「義疏」です。

単に本を読むのではなく、多層的なプロセスを通じて、知を自分の中に根づかせていきます。

この読書術の実践はとりわけ、社会人にとっては、仕事と結びつけて知を血肉化する強力な方法だといえるでしょう。

 

■ 学びの場[AIDA]でさらに深める

この「義疏」をはじめ、編集的な読解や思考を磨き、社会への実践をめざす学び舎がHyper-Editing Platform[AIDA]です。

この「知を創発するプラットフォーム」が2025年10月からスタートします。

「座と興のAIDA」をテーマに、日本文化が培ってきた「場の力」と創造性に着目し、日本文化論から生命科学まで、多領域にわたるゲスト講師を招いて実施します。


読めなければ、何も始まらない。
「読む力」を問い直し、鍛え直す、その入り口として、ぜひこの動画をご覧ください。

 

佐藤優氏と、編集工学研究所のコラボレーションプログラムはこちらをチェック!

  • <参加者募集中>特別講義・佐藤優の編集宣言「編集工学2.0と歴史的現実」(2025年7月6日開催)※編集宣言お申込みはコチラ
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  • 衣笠純子

    編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。