「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。

3期ぶりに復活する「P-1グランプリ」目前の2階学林堂に、九天の猛者が揃っていた。本日の審査員、そしてそれぞれにリアルプランニング編集術を世に問い続ける最前線のプランナーである。
ラジオディレクターで放送史研究者、イシス編集学校2期直立猿人教室師範代の川崎隆章。プランニング編集術の発想飛び道具を一人でつくって確立してしまった伝説のピテカン師範だ。
大岡山に「青熊書店」をリアル編集しつづける植田フサ子。開店にあたり破を再受講し、プランニング編集術で企画を磨いた。
そして、長らく破ボードで評匠を努めてきた中村。お題改変にはじまり、P-1グランプリの立ち上げから現在に至る紆余曲折を原田学匠とともに一身に引き受けてきた。
ゴジラとキングギドラと、あと何だろう。
迫力しかない三人に、審査に向かうココロをきいた。
川崎の着眼点は「頭、口、ハートの3つ」。
いわく、企画としてちゃんと立ってるか。伝える語りになっているか。そして、勢い。三つ揃えばもちろんよいが、一点突破も大いにあり。それだけ突出を求めているという、大惨事を率いる川崎らしい視点だ。
一方、植田は、「私はやはり<よ>です」ときっぱり。
<よもがせわほり>の<よ>。与件の整理が見えてくるか。「そして<も>です」。<も>目的の拡張がちゃんと3軸に展開しているか。「あとはやっぱり<り>ですね。これが一番大事」。隣接と波及にどこまで意識が及んでいるか。「それと他者編集ができているかどうか。だからその手前でやっている物語編集が……」。
追求する手をゆるめない現場の先達はどこまでも貪欲だ。
最後に中村は「プランニング編集術が分析を超えてクリエイトに向かっているかを見たい」と遠くを見た。
「長年かかわってきたP1なので、P-1、そしてプランニング編集術が今どうなっているかが純粋に楽しみ」
というのも、今回のプレゼンターは3名とも師範代が51[破]P-1出場者。P-1チルドレンだ。「だから今回の登壇者は、私からすればグランドチルドレン、いわば孫世代なんですよ。どこまでやってくれるか見届けたい」と目を細める。
本楼にベルが響いた。
3人の、そして54[破]の彼方での闘争が始まる。
福田容子
編集的先達:森村泰昌。速度、質、量の三拍子が揃うのみならず、コンテンツへの方法的評価、厄介ごと引き受ける器量、お題をつくり場を動かす相互編集力をあわせもつ。編集学校に現れたラディカルなISIS的才能。松岡校長は「あと7人の福田容子が欲しい」と語る。
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コメント
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2025-09-04
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2025-09-02
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2025-08-26
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因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。