ISIS 20周年師範代リレー[第7期古川柳子 デジタル化時代の師範代登板]

2020/07/29(水)10:26
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2000年に産声をあげたネットの学校[イシス編集学校]は、2020年6月1日に20周年を迎えた。現在開講中の第45期の師範代まで、1期ずつ数珠つなぎにしながら、20年のクロニクルを紹介する。

新型肺炎(SARS)が流行し、個人情報保護法が成立する中、2003年12月1日に導入される地上デジタルテレビ放送の準備に奔走していたのはテレビ朝日編成局長(当時)のおりゅうさんこと古川柳子さん。古川さんはデジタル化の渦中での師範代登板となりました。教室には医師、お茶の先生、シャンソン歌手が集い、師範代のたおやかな統率力のもと学衆たちは伸び伸びと編集稽古に遊びました。7期は第1回番期同門祭(後の感門之盟)が青山の草月会館で開催され、会場は満員御礼。卒門を祝った後も毎回異なる企画で汁講を行うほど蓼喰うプリズム教室の縁は長く続きました。

古川師範代はその後、情報社会についての本を上梓、2011年にはTEDxSeedsで歴史と文化とメディアを繋げて登壇。現在は明治学院大学でメディア論を研究されており、多方面で編集力を発揮されています。

●あの日!あの時!千夜千冊!●

●『空海の夢』から19年後の空海

0750夜

空海『三教指帰・性霊集』

2003年04月09日

●この詩人の名を知らぬものは編集学校にいない

0773夜

シャルル・ボードレール『悪の華』

2003年05月14日

●松岡正剛が大きな影響を受けた科学のおじさん

0828夜

湯川秀樹『創造的人間』

2003年07月31日

◎師範代これからメッセージ◎


既存の境界を蹴散らして、古今東西の「知」の経絡をまさぐる手技を21世紀の伝統に!

 

蓼喰うプリズム教室 古川柳子


 

Designed by 穂積晴明

 

【図版引用】

・Iraq War montage from Wikipedia CC3.0
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Iraq_War_montage.png
・Perelman Grigori from Oberwolfach Photo Collection CC2.0
https://opc.mfo.de/detail?photo_id=12890
・Hu Jintao with BRICS Leaders from Wikipedia CC2.0
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hu_Jintao_with_BRICS_Leaders_2012.jpg

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。