[守]護神がキャラ立ちへ その名は景山“30点”

2021/05/09(日)14:52 img
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「景山、30点」。松岡校長の言葉に、本楼が凍りついた。

 

2020年12月5日、46[守]伝習座でのことだった。校長の前で解説をする「千夜千冊エディション語り」は、師範陣にとっては栄誉である。プレッシャーもかかる。その機会に景山和浩(46[守]番匠)が取り上げたのが『芸と道』であった。

▲景山が挑んだ『芸と道』

 

「[守]の守護神」「レジェンド」と呼ばれる景山の挑戦に、松岡校長のコメントは「自分に寄せ過ぎだから30点」だった。同時にエディション語りをした三津田と井ノ上の点数は、80点と70点であったことからも、事態は尋常ではない。

景山は発奮した。まずは「30点から130点に引き上げまっせ」という大音美弥子(冊匠)に乗せられ、多読ジム受講を決定。次回の47[守]伝習座では、「『芸と道』と『サブカルズ』を重ねるエディション語りをします」と、ハードルを上げて立候補した。迷走気味な景山は、なにを狙っているのか。“30点”でキャラ立ちを果たそうとしているのだ。その証拠に、最近の遊刊エディストでも「景山“30点”和浩」と名乗っている。

 

ライターはともに梅澤奈央さん。週刊誌、スポーツ新聞顔負けのタイトルは、わが社にスカウトしたいくらいだ。梅澤さんには、不肖景山30点から、さらなる刺激的なタイトルを期待して70点を贈りたいと思います。今日から”梅澤70点”を遠慮せず名乗ってください。 

─景山“30点”和浩

景山”30点”と名乗り始めたエディスト記事(2021/04/17)

 

景山の編集的炯眼は、”30点“が醸し出す「隙」や「間」を察知している。もともと正統派を目指す気はないのに、編集学校キャリアで正道を歩んでしまった景山は、芸の幅を広げようとしている。景山の次回の挑戦は、6月5日になる。
仮に「景山、20点」という展開になれば、再び『遊刊エディスト』DUST記事の題材となり、紙面を賑わすことになる。

  • 井ノ上シーザー

    編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。