会えないもどかしさと、胸までせりあがった思い。切なさという情報は、オンラインで磨かれる。
近大で卒門式を終えた、4人の師範代、そして師範、番匠。それぞれに去来する4ヵ月のおもかげがあった。
割れそうなほど繊細で狂おしい思いを、カメラで受け止め、マイクで抱きしめ、画面のむこうにいるあの人に届ける。オンライン配信を担うということは、思い人どうしのあいだをとりもつキューピットになるということだった。
卒門式が終わり、ビブリオシアターに自然と拍手のさざなみが立つ。それは45[守]卒門のお祝いと、そして中継を成功させた配信チーム・面影座へのねぎらいであった。すべての機材を積み込んだ2台の車は、夕焼けのなか去ってゆく。交感の余韻だけを残し、面影座は黄昏に溶けていった。
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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