インボイス制度が始まった。国税庁のサイトによると次のような記載がある。
適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
(出典:国税庁のインボイス公表サイト「特集インボイス制度」より)
この制度では「適格請求者」と「そうでない者」と二分している。白黒をはっきりとさせ、例外を一切排除している。制度の上であればこのようなシンプルな分類も可能だろう。
一方で、実際の社会や生活の中で、簡単に分類ができるシーンはそうそうない。むしろ複雑さに満ちていて簡単に割り切れないことばかりである。イシス編集学校は、そうしたカオス状態の中で情報を編集する方法を学ぶ。
同日、2023年10月1日の51[破]の伝習座で、八田英子律師が最初に師範代に問いかけたのは、容易にはとらえがたい「らしさ」の編集であった。
「松岡校長は、今月刊行の『知の編集工学』(朝日文庫)増補版で、ヴィーコについて大幅な加筆をしています。そこで強調しているのは、1ヴィーコが『新しい学』の中で、プラトン以降の“真偽”の議論ではなく、真らしさ、偽らしさという2つの“らしさ”を学問しなければならない、と言及していた部分です。」
「らしさ」に向かう方法の一つが、ハイパーな編集に向かうことである。常識や正解にとらわれず、従来の価値基準から抜け出したハイパーに注目を向ける。ある種、デモーニッシュな部分にこそ注目することである。
歴史を振り返ると、一芸に優れたハイパーな存在は、時としてモンスターとして恐れられてしまう。魔女裁判のように断罪の対象になることさえあった。
前回の感門之盟で、松岡校長は「今の日本はヤバイ。モンスターを扱う才能が失われている」と危惧を述べた。確かにハイパーなもの扱いにくい。リスクもある。それでもなお、注意のカーソルが向かうハイパーに編集学校で学ぶ方法を徹底して当てはめていくこと。これこそ「デモンストレーション」なのである。
「スーパーからハイパーへ。松岡校長が表象したハイパーな“出世魚教室名”に恥じない期にしていっていただきたい」と律師は締め括った。
「今日の服装のコンセプトは?」と尋ねると「服装まで気がまわせてないよ」とフランクに回答(白状?)する八田律師。そう言いながらも、白黒の上下にはこっそり深緑の差し色を潜ませており、衣装でも色彩で内なるデーモンを纏っていた。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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